新宿区新大久保に事務所がある、相続問題にも力を入れている弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
次のようなお悩みに対してです。
私の両親が亡くなり、結婚はしていないのですが、弟がおります。
弟ですが、私の母から借金して返さなかったり、母のお葬式にも出席しませんでした。
まだ先の話ですが、私が亡くなった際には、弟には私の財産を相続させたくありません。このことが心配で、弟ともうまく接することができません。
どうしたらよいでしょうか?
シンプルな方法としては、遺言書を作成することが考えられます。以下に、説明をいたします。
遺言書の作成
遺言書を作成して、例えば、〇〇へ自分のすべての財産を相続させるという内容の遺言書を作成すると良いです。
そうすれば、遺言書で指定をした人(団体)に対して、自分の財産を全て渡すことができます。
弁護士の活用法
遺言書ですが、弁護士に相談すれば、間違いのない遺言書を作成することができます。
また、遺言書の内容が間違いなく実行される方法等のアドバイスも受けることができます。
兄弟姉妹には遺留分はない
遺言ですが、一定の相続人の遺留分というものを侵害することはできません。
一定の相続人には、相続財産のうち決まった割合を受け取ることができます。
ただし、兄弟姉妹には、遺留分はありません。
この点については、民法には、次のように規定されています。
(遺留分の帰属及びその割合)
第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一
そうなんですね。
そうしますと、遺言書をつくれば、私の財産を弟に渡さなくて済むのですね!
遺言執行者と定期的に連絡をとっておく
私が亡くなった場合ですが、遺言書の内容が実行されるのでしょうか?
弟が、私の亡くなったことをいいことに、遺言書を無視して私の財産を持っていくなんて事はないでしょうか?
遺言の執行者を事前に指定しておくと良いです。
遺言の執行者は、遺言の内容を実現してくれます。
遺言の執行者は、個人でも団体でもなることができます。
ただ、遺言の執行者が、遺言を執行するためには、亡くなったことを知らなくてはなりません。
ですので、定期的に連絡を取り合ったりして、なにかあった際には、すぐに動ける状況にあることが必要でしょう。
弁護士の活用法
遺言の執行者は誰が良いのか、相談できます。
弁護士自身も、遺言の執行者になれます。
最後に
万一に備えて、準備をしておくことは大切です。
準備をすることにより、安心感をえられます。そして、兄弟とも普通に接することができるのではないでしょうか。
将来、兄弟関係が良好になるなどしたら、以前作成した遺言書は破棄したり、内容を変更することもできます。