刑務所にいった家族との問題~相続人の廃除という制度について~

 

困っている年配の相談者
相談者

弟がいます。弟なんですが、訳あって刑務所におります。5年ぐらい、刑務所にいるみたいです。
弟ですが、家族から借金をしたりしていて、私達家族と折り合いがつきません。
私は独身なんですが、家をもっております。私が亡くなったとき、私の家を弟に相続させたくありません。
親も、私の弟に相続させたくないようです。
なにか、方法があるでしょうか?

普通の弁護士水谷
弁護士水谷

相談者さんの場合は、遺言で弟さんに相続させないとしなければ良いです。

ご両親の場合は、遺言で弟さんに相続させないと遺言をしても、遺留分も問題があります。
この場合は、「廃除」という制度があります。民法に規定されております。
裁判所で、弟さんの廃除が認められると、弟さんは、相続人ではなくなります。
以下、説明します。

「廃除」について

廃除については、民法に次のように規定されております。

(推定相続人の廃除)
民法第八百九十二条 
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

引用元:e-GOV法令検索(民法)

兄弟間の場合

兄弟間の場合は、遺留分はありません。
そこで、遺言書で、弟には自分の財産を相続させないとすれば、済みます。
「廃除」は必要ありません。

親子間の場合

一方、親子間の場合は、遺言書で相続はさせないと遺言しても、遺留分の問題があります。
この遺留分も失わせたい場合は、「廃除」を家庭裁判所に申し立てる必要があるのです。

刑務所にいる場合

頷いている年配の相談者
相談者

弟は、5年ほど刑務所にいるようです。
そうしますと、「推定相続人にその他の著しい非行があったとき」にあたりそうですね。

通常の弁護士水谷です
弁護士水谷

過去の裁判例によりますと、刑務所で5年ほど服役していると、廃除が認められるようです。
5年より短い場合でも、裁判所に、廃除が認められるよう主張立証していくことになりますね。

最後に(弁護士の活用法)

廃除を行いたい場合、裁判所に申し立てる必要があります。
この場合、どのように主張したら良いか、どういう証拠をあつめて裁判所に提出すれば良いか、弁護士の力が必要な場合があります。
自分では難しいなと感じるならば、弁護士に依頼をしてみるのが良いでしょう。

まこと法律事務所

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

弁護士水谷真実

東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目を超えました。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に離婚や男女問題について書きます。
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