新宿区新大久保に事務所がある、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
私の父親が、裁判所で訴えられました。
父親は、体調が優れません。そのため、裁判には出席できません。
また、すぐに和解や判決をしたくありません。できるだけ、裁判を長引かせたいのです。どうしたら良いでしょうか?
裁判で訴えられました。被告本人は、高齢で体調が悪いです。被告本人は、裁判所に出席できる状態にはありません。
家族としては、裁判を長引かせたいです。すぐに和解や判決を望んでいません。どのように対応すればよいか。
第1回目の期日
最初の期日は、裁判所に答弁書だけ提出して、出席しないことができます。
「擬制陳述」と言います。
民事訴訟法には、次のように規定されております。
(訴状等の陳述の擬制)民事訴訟法第百五十八条
引用元:e-GOV法令検索(民事訴訟法)
原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。
答弁書は、ごく簡単な内容を記載でも大丈夫です。
出席しないので、1回分期日が延びる形になります。
2回目以降の期日
出席する必要がある
2回目以降の期日については、書面だけ提出することはできず、裁判に出席した方が良いです。
なお、簡易裁判所の裁判の場合は、2回目以降の期日も、書面だけ提出することができます。
民事訴訟法には、次の条文に規定されています。
(続行期日における陳述の擬制)
引用元:e-GOV法令検索(民事訴訟法)
民事訴訟法第二百七十七条 第百五十八条の規定は、原告又は被告が口頭弁論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。
本人が出席できない場合
本人が出席できない場合、家族が代わりに裁判に出席はできません。弁護士が出席する必要があります。
弁護士に依頼せず裁判を欠席すると、書記官の人から電話連絡等がいくはずです。
1回の期日の欠席ならまだしも、連続して期日を理由なく欠席すれば、裁判は終結して判決となる可能性があります。
なお、簡易裁判所においては、裁判所の許可を得て、弁護士でない者が代理人となることができます。
次のように規定されています。
(訴訟代理人の資格)民事訴訟法第五十四条
引用元:e-GOV法令検索(民事訴訟法)
1 法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
2 前項の許可は、いつでも取り消すことができる。
簡易裁判所で代理人の許可を申請する際の書式は、次のページにあります。
期日の変更を申し立てる
判決になることなく、期日を続けていきたい場合は、裁判所に期日変更の申立書を提出する必要があります。
期日変更の申立ては、理由が必要です。
病気を理由とするならば、診断書を添付して期日変更の申立てをする必要があります。
民事訴訟法には、次のように規定されています。
(期日の指定及び変更)
引用元:e-GOV法令検索(民事訴訟法)
民事訴訟法第九十三条 期日は、申立てにより又は職権で、裁判長が指定する。
2 期日は、やむを得ない場合に限り、日曜日その他の一般の休日に指定することができる。
3 口頭弁論及び弁論準備手続の期日の変更は、顕著な事由がある場合に限り許す。ただし、最初の期日の変更は、当事者の合意がある場合にも許す。
4 前項の規定にかかわらず、弁論準備手続を経た口頭弁論の期日の変更は、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができない。
期日変更の申立書の書式は、次のとおりです。
私の父親は、病気です。診断書を取得して、裁判所に期日変更の申立てをしてみます。
まとめ
訴えられた場合に、裁判を長引かせようと思えばできます。
一方、相手もいることですし、あまり長引かせようとすると裁判官が怒ります。
状況に酔っては、弁護士に、どのような対応が良いか相談することも考えられます。