外国人のサポートに取り組む弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
逮捕されてビザが切れる
ヨーロッパから日本にビジネスでやってきた人が、帰国前日に飲酒などが原因で逮捕されました。
そして、勾留され、再逮捕をされて、そうこうするうちに3か月のビジネスビザが切れてしまいました。
ビザが切れるとオーバーステイになってしまいます。
オーバーステイになると、仮に起訴されないとしても、次は出入国在留管理庁(入国管理局から名称が代わりました)へ身柄を移されます。
新型コロナの影響?
新型コロナの影響などもあり、不起訴処分となりますと検察官から事前に連絡がありました。
そして、検察官から、帰国の手はずを整えて欲しいという要請がありました。
通常は、オーバーステイ状態なので、出入国在留管理庁へ身柄を移されます。
しかし、その外国人の国の在日本大使館が出入国在留管理庁などに働き掛けたのでしょうか、オーバーステイでもビザを申請して新しいビザを取得できる手はずを整えたようです。
出入国在留管理庁にビザの申請に赴く
不起訴となり、警察署から釈放されました。
釈放の際、警察署の人は外国人の在日本大使館の人達に連絡をして、出入国在留管理庁に同行するよう要請していました。
しかし、大使館の人達は在宅勤務のようで、一緒に同行できないというお返事でした。
そこで、大使館の人と警察から要請されて、私が一緒に出入国在留管理庁に同行してビザを申請することになりました。
オーバーステイの状況でビザがない状態で、警察から職務質問をうけるとまた警察のお世話になるからです。
即日のビザ発給
タクシーに乗って、出入国在留管理庁に赴きました。
外国人の彼は、ある意味、新型コロナウィルスのおかげで出れて自分はラッキーだと話していました。
品川の出入国在留管理庁に着くと、混んでいます。
彼は、日本語がほとんど話せません。
そこで、私が代わりに入口の職員さんに事情を説明します。
すると、5階に行って下さいと指示されたので、5階の部屋にいきました。
そして、パスポートを5階の職員さんに渡して、しばらくまっていると、今度は2階に行って下さいと指示されました。
品川の出入国在留管理庁は開庁時間を短縮していて、午後4時には閉まります。
しかし、中で待っている人は、午後4時を過ぎても待つことができます。
2階の待合室は広いのですが、沢山の人達が待っていました。
職員さん達は、新型コロナウィルスと闘いつつ、日々の業務をこなしていて頭が下がります。
4時間ほど待ったでしょうか、職員さんに呼ばれてカウンターに行きました。
すると、パスポートが返却され、パスポートには、既に期限切れとなった入国スタンプに「Cancel」のスタンプがおされ、新たに3か月の短期滞在のスタンプが押印されていました。
ビザを申請してその日のうちにビザが発給です。
すごいなと思いました。
弁護士の活用のしどころ
日本に旅行や短期のビジネスで来日している外国人の人が逮捕された場合、まず身近な人に連絡をしましょう。
そして、ホテル等にとまっているのならば、ホテルのコンシェルジュ等を通して弁護士を探してもらい、接見にきてもらうべきです。
身柄が拘束されている間は、弁護士にアドバイスをもらいつつ、大使館の人などと連携して早期の釈放と帰国ができるように対応してもらうべきです。
弁護士は、通訳の人と一緒に対応できるので、言葉については心配しなくて良いです。
最後に
その後、彼は飛行機のチケットをとって次の日に帰国しました。
新型コロナウィルスの影響が刑事事件にもかなり影響しているんだなと思いました。
そして、日本と関わりの深い国の外国人の人は、在日本大使館などの適切なサポート等で保護されているんだなとも思いました。
I’m glad he make it home safely.