外国人も安心して保釈金を準備できる~弁護士会の保釈保証書の利用について~

日本で暮らす外国人を応援する、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。

被告人やそのご親族にとって、保釈の申請をする際、保釈金のことが気になる方がほとんどだと思います。

高額になる保釈金の準備について、どうしようか悩まれますよね。
ただ、保釈金を立て替えてくれるところがあります。

保釈金の立て替えについて、弁護士協同組合が発行する保釈保証書というものがあります。
どういうものか、どういう流れか等を中心に書きます。

保釈金を立て替えてくれる機関がある

手数料を支払って、保釈金を立て替えてくれる機関があります。

です。

保釈支援協会

保釈支援協会の方が、手続は簡便です。
ただ、外国人が被告人の場合だと、立て替えてくれないことがあります。

弁護士会の保釈保証書発行事業

弁護士会の保釈保証書発行事業の場合は、事前申込みと本申込みに分かれているなど、保釈支援協会の手続より少しだけ煩雑です。

しかし、外国人かどうかは全く関係ありません。
日本人と同様に利用できます。
申込みをする人(一般的には身元引受人の人がするかと思います)が、きちんと働いていて収入があるかという点が重要視されます。

弁護士の方へ~保釈保証書を利用して保釈の申立てをする際の注意点~

流れ

弁護士協同組合に保釈保証書発行の事前の申込み

保釈金を準備できないといけません。
そこで、裁判所に対する保釈の申立てか、その前にでも、弁護士協同組合に保釈保証書発行の事前の申込みをした方が良いでしょう。

【かかる時間】
東京弁護士会の場合、事前申込みをした後、1日ぐらいですぐに判断がでます。
メールで、結果を知らせてくれます。

弁護士協同組合のページに、事前申込みの方法や準備に必要な書類が書いています。
弁護士協同組合の保釈保証書発行事業

裁判所に保釈及び代納許可申請の申立て

裁判所に、保釈申立てと代納許可申請の申立てをします。

裁判所の保釈決定及び代納許可決定後(「本申込み」をする)

弁護士協同組合に、本申込みをします。
裁判所の代納許可決定の書面が必要ですので、本申込みに添付します。

申込者の自己負担金は保釈金の1割ほどです。
200万円が保釈金なら、20万円を自己負担金として用意しなくてはなりません(あとで返ってきます)。

また、手数料は、保釈金の2%ほどです。
200万円が保釈金なら、4万円を手数料として弁護士協同組合に支払います。

【かかる時間】
東京弁護士会の場合、本申込みをした後、1日ぐらいですぐに判断がでます。
メールで、結果を知らせてくれます。

弁護士協同組合のページに、本申込みの方法や準備に必要な書類が書いています。
弁護士協同組合の保釈保証書発行事業

保釈保証書を裁判所に提出して釈放される

弁護士協同組合から保釈保証書をうけとったら、裁判所に提出します。
提出したら、だいたい当日か次の日には被告人は釈放されます。

保釈申立書の記載の注意点

保釈申立書に、「全国弁護士協同組合連合会発行の保証書を用いた代納許可申請を求める。」との記載をいれることです。「保釈金を電子納付いたしたい。」などとしてはいけません。

もし、保釈申立書で代納許可申請を求めていないと、改めて、代納許可申請書を出さなくてはなりません。

なお、代納許可申請の書式は、弁護士協同組合にきいてもありません。
書式は自由です。添付資料も自由です。
保釈申立書の中に代納許可申請について書いてもいいでしょうし、別途、代納許可申請書をだしてもいいのかもしれません。

ただ、裁判所の保釈担当の書記官さんからは「しっかりした内容の書面でないと駄目ですからね」とは言われました。

代納許可決定

裁判所に納める金額

弁護士会の保釈保証書による現金に代わる代納の場合、通常は全額を保釈保証書でまかなえません。
保釈担当の裁判官は、「一部は現金にしてください。10万円~20万円ぐらいですね。」といってくるはずです。

ただ、諸事情を勘案して、裁判官が負担無しの判断をする場合もあります。
身元引受人の生活状況は資力などの問題、保釈保証書発行における手続のミスなどを勘案して、裁判官が自己負担無しの判断をする場合もあります。

最後に

保釈金の準備は、保釈保証協会、保釈保証書発行事業を上手に使い分けて、準備したいですね。

保釈保証書発行事業で参考にしたページ

次のページは、代納許可申請(保釈保証書発行)において、参考になりました。

「刑弁でGO!」

まこと法律事務所

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

弁護士水谷真実

東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目の若手。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に仕事、その他気の向くままに。
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