新宿区新大久保に事務所がある弁護士の水谷真実(みずたにまこと)(@41bengo)です。
借家人の高齢者の方が借家の賃料の支払いを滞る場合があります。
この場合、最終的には裁判で借家を明け渡してもらうことになります。
そこで、裁判における、大家さんの心構えや意識することをブログに書きました。
躊躇せず行動(裁判など)する方が良い
家賃を滞納された際に、建物からの退去をためらう気持ちが大家さんに生じる場合があります。
長年の付き合いから心情的にためらわれたり、また、退去に伴う相手の方への心身の影響などを心配してしまいます。
そして、家賃の滞納が何ヶ月も続いて、やっと弁護士を代理人として裁判所に訴えることがあります。
ただ、大家さんの気持ちとしては、早く建物を明け渡して欲しい場合には、なるべく早く行動を起こした方がいいでしょう。
最終的に、建物を明け渡してもらうことには変わりがないです。また、早く行動を起こすことでなにか悪影響が生じる状況でもないと思われるからです。
裁判では、相手の方に配慮しながら進めるべき
裁判になれば、賃料が未払いですので、高齢者の方は部屋を明け渡さなくてはなりません。
ただ、和解を見据えて、あまり強硬にいかない方が、裁判後の実際の退去の際にスムーズに物事が進むかと思います。
なお、和解する場合、部屋を明け渡す日を少し長めにしたり、家賃を一部免除にすることが考えられるでしょう。
裁判後、突然相手の方の健康が悪化することがある
裁判における和解により、〇月〇日までに、部屋から退去しなければならないと定めます。
しかし、裁判後、突然、高齢者の方の体調が悪化する場合があります。
例えば、突然、目が見えなくなって、定められた日までに部屋を退去することが難しくなる場合があります。
この場合、もう少し部屋を明け渡す日を先に伸ばしてくれないか等の打診がある場合があります。
そして、その打診を受け入れると、先方は優しさに触れたせいか、体調が元に戻る方もいらっしゃいます。
ですので、大家さんとしては、無理に追い出そうとするのではなく、優しさをみせるといいかもしれません。
早い段階で行政の支援を考えるべき
家賃が払えなくなる状況ですので、生活保護の需給を検討するべきところです。
生活保護は、日本全国、どこの市区町村でも申請ができます。
そして、弁護士が間にはいって、生活保護の申請に同行などすると、スムーズに手続が進んでいきます。
本件の場合だと、裁判になる前の早い段階から、行政の支援を検討するべきといえるのかなと思います。
大家さん側が行政機関に生活保護の需給について相談をしてもいいでしょう。
また、先方に弁護士さんがついたら、その弁護士さんに生活保護の申請を打診するのもいいかもしれません。
最後に
高齢者の方に対しては、大家さん側も気をつかうかと思います。
特に、長年、住み続けており、顔なじみだったりすると、大家さん側もやりにくい側面があるのかなぁと思います。