弁護士自身が共有持分を転売する行為と弁護士法との関係(平成31年1月20日のブログです)

新宿区新大久保で働く弁護士の水谷真実(みずたにまこと)@41bengoです。

「弁護士自身」が不動産の共有持分を取得して転売することの可否について、書きたいと思います。

「法的知識を武器に!格安物件仕入れプログラム」セミナーに参加

昨年末頃に、不動産の投資のセミナーを受けました。

 →セミナーとは、株式会社NSアセットマネジメント社の「法律を武器に戦う!格安物件仕入れプログラム」です

セミナーを聞いてみると、法的瑕疵のある物件を購入して、転売して利益を得ることなどを主な方法としているようです。

以前、不動産開発などを積極的に行っている堀鉄平先生の勉強会に参加をしました。
その際、弁護士と不動産投資は親和性がある、行う場合には最初は競売などから始めるのが良いという趣旨のことをおっしゃっていました。

※熱海での勉強会のブログについては、以下の関連記事内に記載しております。

そこで、自分も不動産投資に興味を持っていました。

そのような中、ちょうど 法的瑕疵ある物件を購入するセミナーの広告をみたので、セミナーに参加をした次第です。

セミナーで、法的瑕疵のある物件について説明を聞きました。
具体的には、共有物の持分を購入した上で、他の持分を取得した上で転売するなどの方法を聞きました。

弁護士法などとの抵触の問題

セミナー後、さらに詳しく知りたいと思い、会社を訪れて話を聞き、申込みを考えている旨を伝えました。

そうしたところ、その会社の弁護士さんからメールがきました。

メールの内容としては、弁護士法等の規定に抵触するおそれがあるのではないかとアドバイスをいただきました。

そこで、弁護士職務基本規程などの書籍で調べてみると、

(係争権利の譲受の禁止)
弁護士法28条 弁護士は、係争権利を譲り受けることができない
 
(係争目的物の譲受け)
弁護士職務基本規程17条 弁護士は、係争の目的物を譲り受けてはならない

 

(懲戒事由及び懲戒権者)
弁護士法第56条 弁護士及び弁護士法人は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。 

 

あたりに抵触する可能性がありそうです。

東京弁護士会の弁護士サポート窓口への照会と回答

そこで、東京弁護士会に赴いて、弁護士自身が共有持分の一部をした 取得した上で転売することは 弁護士法などに違反しないかを書面で提出して問い尋ねました。

そうしたところ、東京弁護士会の事務局の方は、弁護士サポート窓口の担当者に確認をとりますね、とおっしゃってくれました。

そして数日後に、弁護士の先生(ルーチェ法律事務所の中井陽子先生)からお電話をいただきました。

アドバイスの内容としましては、弁護士が投資をすることが もちろん許されるけれども、今回の場合は慎重にしたほうがいいという内容でした。

例えば、共有持分を購入するにしても係争性がないことを一筆書いてもらうなどの 慎重な対応が必要なのではないかとアドバイスをいただきました。

ただ、弁護士として品位を害する行為に該当する可能性があるので、再度、後日開催される東京弁護士会の弁護士サポート窓口の担当者の会議で確認をとります、と言われました。

そして、1か月ほどした後、再度中井陽子先生からお電話をいただきました。

教えて頂いたことは、弁護士同士の会議の場ででた話としては、共有持分を購入して転売すること自体がそもそも係争性を帯びており弁護士としての品位を害する可能性があるのではないか、とのことでした。

弁護士になって期が浅い先生は、結構色々なトラブルに巻き込まれる場合もあるので、控えた方がいいですねというアドバイスをいただきました。

親切な先生で、色々アドバイスしていただきありがたかったです。

最後に

いろいろ気をつけつつ、健全に生活していこうと思いました。
また、アドバイスをして下さった先生達にも感謝です。

まこと法律事務所

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

弁護士水谷真実

東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目の若手。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に仕事、その他気の向くままに。
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