【飲食店】新しい契約書のサインを迫られた場合の対応方法

飲食店の賃貸借の問題に取り組む弁護士の水谷真実(@41bengo)です。

飲食店経営者

飲食店を営んでおります。近々、契約の更新日です。ただ、物件のオーナーが新しい契約書をよこしてきました。内容をみると、私に不利な内容です。どうしたらよいでしょうか?

怒っている弁護士水谷真実
弁護士水谷

それはひどいですね。どうするべきか考えましょう。

定期賃貸借契約と普通賃貸借契約の違い

飲食店を経営している人の中には、物件を借りて飲食店を営んでいる方が大勢いらっしゃいます。

そして、オーナーとの間で、定期賃貸借契約ではなく普通賃貸借契約を締結して飲食店を営んでいる方もいらっしゃいます。
物件が古い場合や、物件の内装を整えるなどの初期費用を賃借人の負担とすることで、定期借家契約ではなく普通借家契約を締結するのです。

ただ、普通賃貸借契約の際、契約を更新するときに賃貸人が賃借人に不利益な内容の契約を迫ってくることがあります。

例えば、賃貸人は建物を新しく再築するために将来退去して欲しいが、その際に立退料を支払いたくない場合等です。
この場合は、賃貸人は、新しい契約書に、立退料は支払わないなどと賃借人に不利な新しい契約書を賃借人に渡してくることがあります。

更新の際に不利益な内容の契約を迫られた場合どうするか?

相談者
相談者

3日後が賃貸借契約の更新日です。
賃貸人が突然「新しい契約書にサインをしないと更新ができず退去してもらうことになりますよ」と伝えてきました。
新しい賃貸借契約書は、退去の際に立退料の請求を放棄するという条文があります。私に不利です。
新しい契約書にサインしなくては、私は立ち退かなくてはならないでしょうか。

笑顔の弁護士水谷真実
弁護士水谷

そんなことはないですよ。
無茶なことを言ってきますね。
どうしたらよいか考えましょう。


まず、飲食店でも、借地借家法の適用があります。
そして、賃貸人は賃借人に対して、事前に更新をしない旨の通知をすることはできます。
ただ、賃貸人の方から更新しない通知を出す場合、正当な理由が必要となります。

単に新しい契約書にサインしないというだけでは、正当な理由にはなりません。

このまま更新日をむかえたら、法定更新になります。
期間の定めのない賃貸借契約となります。

(建物賃貸借契約の更新等)
借地借家法第26条
1 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすただし、その期間は、定めがないものとする
2 前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。

e-Gov

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
借地借家法第28条 
建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

e-Gov

最後に

賃貸借契約の更新が間近になった、突然、賃貸人か新しい契約をせまられても、慌てる必要はないです。
定期賃貸借契約ではなく普通賃貸借契約であれば、正当な理由がなければ法定更新となります。

弁護士に状況を説明して法的アドバイスをもらうのも良いですね。

まこと法律事務所

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

弁護士水谷真実

東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目を超えました。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に離婚や男女問題について書きます。
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