契約の解除の方法~相手の会社と連絡がとれない場合~

新宿区新大久保に事務所がある、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。

賃貸借契約の解除を念頭について、考えてみます。

契約書の確認と解除の通知

50代相談者の男性で疑問に思っている
相談者

不動産をある会社に貸しております。
しかし、相手の会社の人と連絡がとれません。
どうしたらよいでしょうか?

弁護士水谷が考えている状況
弁護士水谷

賃貸借契約書をまず確認ですね。
所在不明や連絡がとれなくなった場合に、解除できるという条項があるでしょうか。
もし、なくても、連絡がつかないならば、解除できる場合があります。
詳しくは契約内容にもよります。また、賃貸借のような継続的な契約の場合、信頼関係が破壊されているかも1つのポイントです。
解除する場合は、相当の期間の催告をして、解除することになりますね(民法541条)。
内容証明郵便で送った方が良いですね。

弁護士の活用法

賃貸借契約書を確認してもらうことや、解除をする場合の内容証明郵便の文面の作成等を頼むことができます。

会社の登記簿上の住所

頷いている年配の相談者
相談者

どこの住所に送ったら良いでしょうか?
もう、ずいぶんと前から会社の代表者と連絡がつかないのです。

通常の弁護士水谷です
弁護士水谷

会社の登記簿謄本を取り寄せられるのならば取り寄せて、登記簿謄本に記載されている住所に送付してみるのはどうでしょうか。
法人の登記簿上の住所は基本はどこにでもできますが、まず解除の通知の書面を送ってみるのはどうでしょうか。
ただし、宛名不完全ということで、届かないこともあります。

解除を公示送達で行う

50代相談者の男性で疑問に思っている
相談者

内容証明郵便で送っても、宛て所不明で戻ってきた場合はどうしたら良いでしょうか?

説明している水谷弁護士です
弁護士水谷

公示による意思表示が考えられます。
裁判所を介する手続ですね。
裁判所のページに、手続について記載があります。
相手の所在を調査して報告書を作成するなどするので、少々時間はかかります。

(公示による意思表示)
民法第九十八条 意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。
 前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。
 公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
 公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。
 裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。

e-GOV法令検索

弁護士の活用法

弁護士を通じて、相手の会社の住所を調べたり、裁判所に解除の公示送達の申立てをすることができます。

最後に

相手の会社の所在が不明の場合、どこまでやれば良いかがわかりにくいです。
法的な判断等も必要です。
弁護士と相談しながら進めると安心です。

まこと法律事務所

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

弁護士水谷真実

東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目を超えました。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に離婚や男女問題について書きます。
ご相談いただいたことは、一生懸命対応します。悩んだら、思い切ってお問い合わせ・ご相談ください。

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