裁判での弁護活動に取り組む弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
賃貸人が、賃借人(転貸人)が無断転貸をしたことを理由に建物の明渡しを求める裁判を行ったとします。
賃借人(転貸人)が転借人に建物を店舗用(レストラン)に転貸借をしました。
その後、賃貸人が賃借人(転貸人)と転借人に対して建物の明渡しの裁判をします。
賃借人(転貸人)はでていきたくありません。
転借人は、レストラン営業を続けるために、賃貸人と契約をしたいと考えております。
それぞれの立場から(裁判において)
賃借人(転貸人)の立場から
賃借人としては、契約書記載の条項の違反がないことや、賃貸人との間で信頼関係が破壊されていないことを主張することになります。
また、転貸借の期間が長引けば、賃貸人が転貸借を承諾をしていたという主張も考えられます。
賃借人(転貸人)としては、自分と転借人との関係性を考慮するべきでしょう。
転借人と協力して裁判を一緒にやっていけるのか、または、転借人との関係が悪いので一緒に裁判をやることは不利になるのではないかを考えるべきです。
そのため、賃借人(転貸人)としては、普段から転借人との関係を良好にしておくべきでしょう。
仲が良くないと、裁判になった際に、転借人が自分に不利に主張立証をする可能性があります。
転借人の立場から
転借人としては、最初にどのように訴訟を進めていくか考える必要があります。
賃借人(転貸人)との裁判を分離するのか、それとも賃借人(転貸人)と一緒の裁判でやるのかを考える必要があります。
どちらにするのが自分にとりメリットがあるのかを考える必要があります。
冒頭の事案では、転借人はレストラン営業を続けるために、賃貸人と新たに契約をしたいと考えております。
そうすると、賃借人(転貸人)と一緒の裁判をやることを主張することになるでしょう。
一緒の裁判ですと、賃貸人に有利になるような主張立証をすることができます。
賃貸人の立場から
賃借人と和解するべきか、それとも和解をせずに判決を求めるか考えることになります。
賃借人(転貸人)や転借人がどういう関係も考えることになります。
冒頭の事案だと、転借人がレストランの営業の継続を望んでいることから、転借人と歩調を合わせることが考えられます。
最後に
最初は、まさか裁判にまではならないだろうと思うでしょう。
しかし、店舗などの転貸借の場合は、トラブルになることがままあります。
そのため、賃貸人、賃借人(転貸人)、転借人共に、将来トラブルになるかもしれない、裁判になるかもしれないことを念頭において、行動する必要があります。