痴漢冤罪保険に加入するべきなの?

1 最近ニュースになったので思ったこと

最近、痴漢の疑いをかけられた人が線路ににげるなどの報道がされることをうけて、そのための保険である、「痴漢冤罪(えんざい)ヘルプコール」の加入が急増しているという記事を読んだ。


加入の背景としては、痴漢の疑いをかけられたら、逃げるよりまず弁護士を呼んだ方がいいとのこと。

たしかに、もし痴漢で逮捕されたら、早く外にでるために、弁護士を至急よんだ方がいいと思う。

ただ、だからといって、上記の保険にはいるべきかは、ちゃんと自分の状況等をふまえて判断するべきだと思う。

2 保険の内容ってどうなの?

上記の保険の内容は、

①すぐに弁護士に助けをもとめる電話をかけられる(平日の7~10時、17~24時)(土日祝日、12/29~1/3を除く)

②事件発生後、48時間に発生した弁護士の相談料、接見費用(交通費など含む)は、保険がおりる(逮捕されての弁護活動にかかる着手金は除く)

①についてだが、弁護士にすぐに助けをもとめられる電話をかけられるのはすごくいいことだと思う。

ただ、電話をかけられる時間帯が、列車が混み合う時間帯を想定しているとはいえ、限られているので、注意が必要だと思う。

また、仮に自分が助けを求める電話をうけた場合、どのようなアドバイスができるだろうかと考えてしまう。

自分がこれまで担当した痴漢事件の被害者の方達は、みんなものすごく怒っていた。

一般の人でも、現行犯逮捕できるのだから、被害者の人が現行犯逮捕をして、そのまま駅事務室なり警察なりに連れて行ってしまうのかなと。そうすると、かりに自分が電話相談をうけた場合、どのようなアドバイスができるのだろうか。

勘違いや、かるくあたっただけとかという場合もあると思うので、この場合だと、電話でも、助言したり気を落ち着かせたりすることはできると思う。

②については、ある程度保険がおりるのは安心ではあると思う。
もっとも、48時間に発生した弁護士の相談料、接見費用は、なにをいっているのかあいまいだと思う。逮捕されてから弁護士が最初に接見した費用のことをいっているのかと思うけど、はっきりしない。

また、逮捕されての弁護活動にかかる着手金の方が数倍はかかるだろうし、こちらの着手金の方が本来メインなのだから、これを除外しているのは頭にいれておいた方がいいと思う。

3 加入するかは、ちゃんと考えて判断するべき

冤罪事件などがあるので、満員電車に乗っていて痴漢に間違われやすそうな状況下に日々いらっしゃる人は、安心のためにはいってもいいのかなとは思う。
しかし、報道をみて、流されて安易に保険にはいるのではなく、よくよく考えて、自分に必要かを見極めてはいる必要があるかと思う。

痴漢冤罪(えんざい)ヘルプコール
https://www.japan-insurance.co.jp/lawyer/

※ 表紙の写真は、東京都東村山市の北山公園の菖蒲です。のどかな場所で、時間がゆっくり流れていてこころがおちつきます。
もうすぐ、菖蒲祭りが開催されます。

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

弁護士水谷真実

東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目の若手。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に仕事、その他気の向くままに。
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