歴史物が好きな男(→プロフィールはこちら)です。
村上龍さんの「5分後の世界」「ヒュウガ・ウイルス」を読みました。
読もうと思ったきっかけについてです。
日本が第2次世界大戦で、8月15日に降伏せずそのまま戦い続けていた場合について書かれた小説を読みたかったからです。
ソ連や中国が日本本土に侵攻し、連合国軍の計画通り、日本は4分割されてしまうのか、どういう世界になったんだろうと考えたからです。
本土決戦について書かれた、IFの本はいくつかありますが、村上龍さんの小説が面白そうなので、読みました。
「5分後の世界」
「5分後の世界」は、ある青年が突然5分先の世界に迷い込んだ話です。
文庫本だと、分量はそんなにないので、列車のとかで気軽に読むことができます。
日本が本土決戦をえて4分割され、日本国民が数十万人に減り、長野あたりの地下にアンダーグランド(UG)という組織をつくり、闘っている世界を描いた物語です。
アンダーグランド(UG)の人々は、おそらく戦中戦前の頃の日本人のように、1人1人の能力が高く、気高く生きています。
迷い込んだ主人公の青年が、アンダーグランド(UG)の世界から現実世界へ戻ろうとする中で、出会いや戦いなどがある、そういうお話です。
本土決戦後のIFの世界もかいまみることができます。
日本中であちこちスラムができて荒廃し、混血の人々や外国からの移民がひしめいた世界となっています。
今の世界とアンダーグランド(UG)の世界、どちらも世界が良いのだろう、戦争がない今の世界がいいのかな、でも戦争があっても自分達の大切なものを守り続けるために闘うこともありなのかな、と考えされられます。
「5分後の世界」は、主人公の青年の視点で、スピード感をもって物語が進んでいく小説です。
そんなに時間をかけずにさらっと読めます。
「ヒュウガ・ウイルス」
「5分後の世界」の続編です。
「5分後の世界」とは主人公が異なります。
アメリカ人の女性ジャーナリスト(キャサリン・コウリー)が主人公です。
主人公のアメリカ人女性が、アンダーグランドの兵士に同行する物語です。
九州東南部(宮崎の方)の歓楽街ビックバン内のヒュウガ村で、恐ろしいウイルスが発生します。筋痙攣の後に吐血しアナフィラキシーショックで死亡するのです。
アンダーグランドの兵士は、国連軍に頼まれ、、ヒュウガ・ウイルスの調査をして、発生した場所を消滅させるために行動します。
アンダーグランドの本拠地(日本の中部地方)から四国へ渡り、そして、九州へ渡ります。
途中、北斗の拳の世界さながらの場所を通過し、ハラハラします。
「ヒュウガ・ウイルス」も、スピード感をもって物語が進んでいく小説です。
そんなに時間をかけずにさらっと読めます。
最後に
もし本土決戦がおこっていたら、その後日本はどうなったんだろうと考えてしまいます。
最後の最後まで戦い抜いた方が良かったのか、玉音放送にあるように日本民族の滅亡を招来することになったのか。
いずれにせよ、「5分後の世界」も「ヒュウガ・ウイルス」も読んで面白いです。
「5分後の世界」の方は、ゲームにもなっていますし。