新宿区新大久保に事務所がある、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
相手を訴える際、請求する金額が高いとそれだけ手数料(印紙代)が高くなります。
裁判所の次のページに、印紙代の金額の記載があります。
→手数料(印紙代)
仮に、1000万円を請求すると、印紙代は5万円かかります。
しかし、印紙代を低くおさえながら裁判を行う方法はあります。
訴訟上の救助の申立て
訴訟上の救助の申立てという制度があります。
民事訴訟法には、次のように規定されております。
(救助の付与)
引用元:e-Gov法令検索
民事訴訟法第八十二条
1 訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、訴訟上の救助の決定をすることができる。ただし、勝訴の見込みがないとはいえないときに限る。
2 訴訟上の救助の決定は、審級ごとにする。
(救助の効力等)
引用元:e-Gov法令検索
民事訴訟法第八十三条
1訴訟上の救助の決定は、その定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。
一 裁判費用並びに執行官の手数料及びその職務の執行に要する費用の支払の猶予
二 裁判所において付添いを命じた弁護士の報酬及び費用の支払の猶予
三 訴訟費用の担保の免除
2 訴訟上の救助の決定は、これを受けた者のためにのみその効力を有する。
裁判所は、訴訟の承継人に対し、決定で、猶予した費用の支払を命ずる。
訴訟上の救助の申立てですが、裁判費用が免除されるのではなく、一時的に猶予されるものです。
裁判所の次のページに、詳しく説明があります。
→訴訟上の救助を申し立てる場合について
判決で勝訴する
しかし、判決となり、被告が敗訴する場合、訴訟費用は基本的には敗訴者である被告が負担をします。
民事訴訟法は、次のように規定しております。
(訴訟費用の負担の原則)
引用元:e-Gov法令検索
第六十一条 訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。
そこで、判決まで勝訴をすれば、印紙代を被告の負担とすることができます。
和解において印紙代を被告の負担とする
裁判の途中で、和解の話し合いを行い、和解をすることがあります。
和解において、印紙代は被告の負担とする内容の和解をすることもできます。
一部請求
例えば、1000万円請求したいけれど、まず300万円だけを請求することもできます。
1000万円のうちの一部である300万円の請求であることを明示して請求した場合には、判決がなされても、残部の請求をできます。但し、一部請求をして敗訴をした場合は、信義則の観点から、残部請求ができないという判例があります(最高裁判例 平成10年6月12日)。
一部請求をすることにより、印紙代を少なくすることができます。
次のページなどが参考になります。
裁判費用(印紙代)節約のために
最後に
印紙代を低くおさえるために一部請求を行うのであれば、一緒に訴訟上の救助の申立てを行うのが良いですね。
どのような方法によるべきか、代理人の弁護士がいる場合には、弁護士と相談して進めるのが良いです。