新宿区新大久保に事務所がある、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
不倫の疑いで、慰謝料請求をされている場合についてです。
不倫慰謝料の金額
大学を卒業した新卒の社会人です。
合コンで出会った人と意気投合して、その日のうちに性交渉をしました。
既婚者か尋ねましたが、彼は既婚者ではないというような態度でした。
その後、2回会って、性交渉をしました。
しかし、その男は既婚者だったのです。
最初に会ってから2週間後、突然、その男の妻から連絡があり、不倫をしたと言われ、慰謝料請求をされました。
会って2週間ですよね。
それに、既婚者とは知らなかったんですよね。
そうしますと、そんなに高額な金額の支払いは不要ですね。
30万円か50万円ぐらいお支払いして、和解できれば良いですね。
勤務先の情報 ~意気投合して~
彼とお酒を飲んで、盛り上がって、彼は自分の勤務先を伝えてくるし、私も、自分の勤務先を彼に伝えたんです。
妻は、私に慰謝料300万円を支払わないと和解しないの一点張りです。
合意ができそうにありません。
妻は、嫌がらせのためでしょうか、私の勤務先の給与の仮差押えをすると述べています。
大丈夫でしょうか?
夫に勤務先を伝えたんですね。
そうすると、妻は夫に対して、あなたの勤務先を聞くでしょうね。
夫が誠実な人ならば、あなたを裏切って妻に勤務先を伝えることはないでしょう。
しかし、夫が妻とよりを戻したいと考えている等の場合は、あなたの勤務先を伝えるでしょうね。
妻が自宅の住所を聞いてくる
妻と直接話し合いました。
妻は、弁護士を通じて内容証明郵便などを送るために、住所を知りたいと述べてきました。
住所を教えないならば、弁護士会照会で調べる、会社に内容証明郵便を話してきます。
会社には知られたくないので、自宅住所を教えてしまいました。
本来は、自宅住所は教えない方が良いですね。
弁護士会照会で調べるのならば、調べさせたら良いですね。
弁護士を通じて会社に内容証明郵便は通常は送ってこないですね。
給与の仮差押えをされたら?
妻が裁判所に給与の仮差押えをするのが不安です。
会社に知られたら、会社の人から信用を失ってしまいます。
万一、給与の仮差押えをされたら、会社の上司に事情を説明することになりますね。
しかし、会社のお金を横領したり、取引先とトラブル等になった結果、給与の仮差押えになったわけではりません。
私生活のことですよね。
きちんと会社の人達に事情を説明すれば、会社の人達も理解してくれるのではないでしょうか。
給与の仮差押えをされてからではなく、事前に会社の人達に相談をしてみることも1つの考えですね。
給与の仮差押えに対する対抗手段
異議の申立て
仮差押えの通知が裁判所からきたら、異議申し立てができます。
裁判所の次のページに、異議申し立ての記載があります。
仮差押解放金
給与の仮差押えがされても、仮差押解放金を納めることにより、仮差押え命令の執行を停止させることができます。
(仮差押解放金)
e-GOV法令検索
民事保全法22条
仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
2 前項の金銭の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
起訴命令の申立て
仮差押えをされたら、裁判所に、相手が訴訟提起をするように求めることができます。
いつまでも、仮差押えの状態が続くのを避けるためです。
(本案の訴えの不提起等による保全取消し)
e-GOV法令検索
民事保全法第三十七条 保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対し、相当と認める一定の期間内に、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面を提出し、既に本案の訴えを提起しているときはその係属を証する書面を提出すべきことを命じなければならない。
2 前項の期間は、二週間以上でなければならない。
3 債権者が第一項の規定により定められた期間内に同項の書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。
4 (以下省略)
仮差押えをするとしつこく言われる場合の対処方法
夫が妻の味方となっています。妻に慰謝料を支払え、でないと妻は仮差押えをするぞと何度も連絡してきます。
どうしたらよいでしょうか?
夫には、脅迫や恐喝にあたるおそれがある、警察に相談することになると伝えるのが良いのではないでしょうか。
(脅迫)
e-GOV法令検索
刑法第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
(恐喝)
e-GOV法令検索
第二百四十九条
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
夫に対する請求~貞操権侵害に基づく慰謝料請求~
夫が許せません。
夫は、妻帯者であることを隠していました。
今は、私を裏切り、私の勤務先を妻に伝えて仮差押えをしようとしています。
許せません。
慰謝料請求したいです。
貞操権侵害に基づく慰謝料請求が考えられます。
不法行為(民法709条)ですね。
・妻帯者であることを隠していた
・離婚しないで妻と婚姻関係を続ける
などの事情から、請求することが考えられますね。