借金がかさんでいるので、自己破産を検討中です。
ただ、仕事で携帯電話がどうしても必要なのです。
次回の携帯電話の支払は、10万円です。
毎月の携帯の通話料金の中に、ショッピングで購入した代金も含まれているのです。
このまま支払わないと、携帯電話を解約させられてしまいます。
どうしたらよいでしょうか?
悩ましいですね。
どうしたらよいか考えましょう。
自己破産の手続をする場合、毎月の携帯電話の通話料金の支払いは大丈夫です。
偏頗弁済にはあたりません。
ただ、今回の場合は、通話料金の中にショッピングで購入した代金も含まれております。
そこで、このまま全部支払ってしまうと、偏頗弁済とされる可能性があります。
親族等に代わりに支払ってもらう
親族など親しい人に代わりに料金を支払ってもらうことが考えられます。
自己破産をすることを親族等に話すことは、抵抗がある方は多いです。
ただ、もし、親族等に話すことができ、協力を得られるのならば、1つの方法として考えられます。
法的には、「第三者弁済」といいます。
民法では、次のように規定されております。
(第三者の弁済)
e-Gov
民法第474条 債務の弁済は、第三者もすることができる。
2 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。
3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。
親族などが代わりに携帯料金を支払っても、本人の財産が減るわけではありません。
そのため、債権者を害する訳ではなく、偏頗弁済にはあたりません。
ただ、偏頗弁済を免れるために、親族等が代わりに支払ったと偽装したのではないかと疑われる可能性があります。
そこで、本当に親族等のお金で支払ったということが分かるよう、お金の流れが分かる証拠を残しておくべきです。
弁護士の活用法
弁護士が間に入って、親族等の意向の確認し、お金の流れが分かるように証拠を確保することになります。
まず、自己破産ではなく任意整理を試みる
自己破産の申立てではなく、まず任意整理を行うということも考えられます。
例えば、一時的に債権者にお金が支払えないような状況だけど、しばらくしたらまた支払いができるようになる場合等に有効です。
新型コロナウィルスのために、一時的に収入が減っているけど、じきに収入が得られそうな場合等もですね。
任意整理の場合ですと、偏頗弁済を気にする必要はありません。
携帯電話会社の電話利用料金を優先して支払うことができます。
弁護士の活用法
弁護士に自分の生活状況を話して、任意整理が可能かどうか判断をしてもらいましょう。
その後、弁護士が債権者に受任通知を出し、交渉により和解することになります。
分割払いの支払の開始時期は、交渉次第では和解契約をしてから3~4か月先まで伸ばすことができます。
そうなんですね。
どうしても、今の携帯電話を使い続けたいのです。
今、一時的に収入が減っていますが、また回復しそうです。
まず、任意整理をしようかと思います。
そうですね。
任意整理をして分割払いをするからには、和解で約束したことを守ってきちんと分割払いをし続けることが必要ですね。
最後に
携帯電話は、一度解約になってしまうと、同じ携帯会社との再契約が難しくなってしまいます。
なんとか、携帯電話は解約にならないようにしたいところです。
携帯電話の料金を払っていれば問題はありませんが、状況によっては悩ましい場面も生じてきます。
この場合は、弁護士にご相談いただければ、法的なアドバイスと解決策をお話します。