妻が別居後に住宅ローンのある家に住む場合にもらう婚姻費用

住所ローンを夫が支払っている場合

婚姻費用の算定の基本的な方法

はじめに

婚姻費用の算定方法については、家庭裁判所が婚姻費用の算定のための作成しております。

婚姻費用

住宅ローンの支払いの２つの側面

借家の場合には、家賃を支払っても、将来的に自らの資産が形成されるというわけでありません。

そのため、妻と子供が住んでいる家の家賃を支払うということは、純粋に婚姻費用として住居費を支払うということになります。

一方、住宅ローンを支払うことにより、将来的には住宅が自分の所有物となります。
そのため、住宅ローンの支払いは、妻と子の住居費を支払うという側面のみならず、自らの資産形成のためにも支払っているという側面があります。

婚姻費用算定表と住居費の関係

裁判所の婚姻費用算定表から算出される金額は、住居費を含めた金額です。
住居は生活をしていくためには欠かせないものです。
そのため、住居費用は婚姻費用の一部として、婚姻費用算定表において住居費の分をプラスして金額が算出されます。

そこで、妻と子供が借家に住んでいる場合には、 借家の家賃を支払わなくては借家に住めません。
そこで、夫は妻に対して、算定表から算出される金額を基本的には支払わなくてはならないでしょう。

住宅ローンと婚姻費用算定表との関係

住宅ローンには、資産形成の側面があります。
資産形成の側面からすると、住宅ローンは婚姻費用（生活費）のために支払われているとはいえません。

そうすると、住宅ローンは婚姻費用とは別のものといえそうです。
そのため、夫は婚姻費用から算出される金額をそのまま支払うことになりそうです。

一方、婚姻費用算定表は、住居費の分をプラスして算出されます。
にもかかわらず、妻が婚姻費用算定表から算出される金額を丸々受け取っていいのかという問題に直面をします。

もし、借家の場合だったら、妻は婚姻費用を受け取った後、自分で家賃を支払わなくてはいけません。

しかし、妻は夫に住宅ローンの支払いを受けてもらい、何らの家賃の負担がないにもかかわらず、婚姻費用算定表から算出される金額をそのまま受け取けとることは、問題があるとされそうです。

妻がより多く婚姻費用を多くもらう計算方法

夫が住宅ローンを負担している場合、住宅ローンの金額全額が控除されるわけではありません。
一部の金額が、婚姻費用から控除されることになります。
ただ、婚姻費用から控除されるにしても、その計算方法により金額が異なりますので、妻としては自分に有利な金額で計算をするべきです。

夫が住宅ローンを負担している場合、大きく分けて２つの計算方法があります。

ざっくりと言いますと、

１．住宅ローンの支払金額を特別経費として、夫の収入から控除した上で婚姻費用算定表で計算する方法

２．婚姻費用算定表で算定される金額から、妻の年収に対応した標準的な住居費用を控除する方法

の２つです。

妻の年収が低い場合には、2番の方が妻には有利となります。
裁判においても、2番の方法によることが多いようです。

【２番の具体的な計算方法】

婚姻費用算定表から婚姻費用が１０万円と導き出されたとします。
そして、妻の月収が２０万円だとすると、この２０万円も相当する住居費として約３万円が導き出されます。
そこで、１０万円から３万円を控除した約７万円が婚姻費用となります。

最後に

婚姻費用については、計算方法が分かりにくいですし、色々と考慮するべき事柄などがあります。
妻にとっては、婚姻費用の支払いを受けるべきかは死活問題となりかねません。

そのため、弁護士などの専門家と相談して対応を考えることも大切でしょう。

ももこちゃん

婚姻費用は生活する上で大切だから、沢山もらわなくっちゃ。

そうだね。婚姻費用をもらう妻にとっては、確実に夫から支払をうけたいところだね。

同じカテゴリーのコラム