妻が夫のモラハラを理由に離婚したい場合

モラハラの悩み

妻は夫からモラハラをされていると考えるようになりました。
モラハラの内容は、
・些細なことで怒って怒鳴りつける
・束縛が多く、やりたいことが自由にできない
などです。

ただ、夫としては自分が妻に対してモラハラをしてるという認識はなく、むしろ妻を愛していて子供も愛している人が結構いるかと思います。
妻としては、当初は我慢していたけれども、だんだんと耐えきれなくなり、もう絶対に離婚したいと考えるようになりました。
では、妻は離婚できるでしょうか、以下考えたいと思います。

協議離婚の交渉で予想されること

妻としては、夫と協議離婚ができればそれが何よりかと思います。

一方、夫が協議離婚に応じてくれたらいいのですが、すんなりと離婚に応じてくれない場合もあるでしょう。

夫は、今後はもっと妻を大事にするといって、モラハラを絶対にしないと誓うこともあるかと思います。
夫が反省することにより、今後モラハラがなくなる場合もあります。
ただ、妻がもはや耐えきれず離婚したい場合、夫が応じてくれず、調停での離婚手続にならざるをえません。

調停・裁判において予想されること

裁判（審判）の前には、まず家庭裁判所での調停の手続きをしなくてはなりません（調停前置主義）。

裁判（審判）になった場合、離婚するには法律により定めのある離婚事由として、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があること（同条項５号）」という状況でなくては離婚できません。
一方、調停の場合には、調停委員が夫婦の話を聞き、状況によっては離婚事由がなくても、夫を説得して離婚に導いてくれる場合があります。

そのため、調停を申し立てる段階で、どういう風に主張や立証をすれば、調停委員の人が同情してくれそうだな、納得してくれそうだなということを意識しながら、申立ての書面などを作成するべきです。

実際の調停の場では、口頭で調停に対してモラハラのひどい状況をしても、夫がうまく取り繕ったりするかもしれません。
また、自分自身で調停をする場合には、緊張するなどしてそもそもうまく説明ができないかもしれません。

モラハラは暴力とは違い、客観的な証拠が残りにくいです。また、モラハラを愛情表現の一種だと捉えられる恐れもあります。そして、注意や要求をするために妻に対して強い口調で言ったのであり、そもそもモラハラではないと夫が主張してくることも考えられます。

そのため、 どうしても離婚したいという意志が妻にあるのでしたら、しっかりと準備をして証拠をしっかりと揃えた上で調停に臨むべきです。

※証拠についての具体的な内容は、以下の関連記事の中の「DVやモラハラの場合」の項目にあります。

妻の側からみた離婚のために必要な手続（不倫やDV・モラハラを中心に）

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