まこと法律事務所 MAKOTO LAW OFFICE

基礎知識

離婚の流れと種類

Q そもそもまず結婚(婚姻)とは何でしょうか?

 男性は18歳、女性は16歳となると結婚ができます(民法731条)。

 

 そして、男女双方がお互いに結婚(婚姻)したいという意思をもった上で、役所に婚姻の届出をすることで、婚姻の効力が生じます(民法739条)。

 

 結婚をして夫婦となると、主に次のような法的な効果が発生します。

【生活上の法的効果】

①同居義務、協力義務


 夫婦間で同居をする義務、相互に協力をしていく義務(民法752条)

 

②貞操義務


 夫婦はお互いに貞操を守る義務 など

【財産面での法的効果】

③婚姻費用の分担


 夫婦が社会生活を送っている上で必要な生活費をお互いに出し合って負担していく義務(民法760条)

 

④日常家事債務の連帯責任


 夫婦の一方が日常の家事で債務を負担したときは、他方は連帯して債務を負担する(民法761条) など

【具体例】


 生活必需品の購入、子供の教育費、医療費などの夫婦の共同生活に必要な一切のもの

【夫婦の他方が亡くなった場合】

⑤財産の相続がなされます(民法890条)

Q 婚姻の解消をするには?

はじめに


婚姻解消の原因

 婚姻の解消ですが、婚姻解消の原因としては、2つあります。

1夫婦の一方の死亡

2離婚

です。今回は、2離婚について述べます。


離婚について


①夫婦間での協議による離婚(協議離婚)
②裁判所を介しての離婚(調停離婚、審判離婚、裁判離婚)

があります。


①夫婦間での協議による離婚(協議離婚)(民法763条)とは?

 協議離婚ですが、理由にかかわらず夫婦間で離婚の合意が成立しさえすれば、あとは役所に届出をだすだけで離婚ができます。

 離婚をする場合、この協議離婚の数が離婚全体の約9割を占めます。

 なお、未成年者の子供がいる場合は、親権者の指定をしておく必要があります(民法819条1項)。また、協議離婚が無効となったり取り消されたりする(詐欺・脅迫があった場合(民法764条、747条))場合があります。

②裁判所を介しての離婚(調停離婚、審判離婚、裁判離婚)とは?

 協議離婚をしようにも、夫婦間での話し合いがうまくまとまらなかったり、そもそも夫婦間で話し合いができる状況にないことがあります。

 この場合、離婚を求める夫婦の一方は、家庭裁判所を介して離婚をすることになります。

(1)調停離婚とは?

ア)はじめに

 調停離婚とは、家庭裁判所において、裁判官1名と調停員2名の下で、非公開で話し合いがなされる手続です。

 調停で離婚が成立する割合は、全離婚のうちの約1割ほどです。

 調停前置主義といって、いきなり裁判所で公開の場で裁判官が関与して行われる訴訟によるのではなく、非公開の場で調停員も交えた方が、いろいろな意見を言いやすし、柔軟に円滑に進むという考えによります。

 

イ) 家庭裁判所に申し立てられる内容とは?

大きく分けると、

(a)夫婦関係(または内縁関係)を円満に調整すること

(b)離婚をする(または内縁関係を解消する)

です。

(b)離婚をする(または内縁関係を解消する)の場合、

・未成年の子供の親権者をだれにするのか

・子供との面会交流の時期、方法

・誰がいくら養育費を支払うのか

・財産分与の額や内容

・慰謝料

・年金分割

をさらに追加で申し立てることができます。

(2)審判離婚とは?

ア)調停が不成立となった

 調停離婚において、当事者が合意をすれば調停が成立してそこで終了となります。

 しかし、当事者が合意をしない場合、調停は不調に終わったとして原則として調停不成立となります。

イ)審判離婚がなされる場合がある

 しかし、家庭裁判所が、当事者間の様々な事情を考慮して、なんらかの形で結論をだした方がいいと考えることもあります。

 例えば、夫婦間で離婚する意思は双方にあり、子供の親権者も定まり面会交流もすることになったが、面会交流の時期で夫婦間で食い違いがある場合などである。

 この場合は、裁判所が審判という形で結論をだします。審判離婚はほとんどなく、全離婚のうち1%に満たないです。

(3)裁判離婚とは?

ア)はじめに

 裁判離婚とは、協議離婚、調停離婚、審判離婚が成立しない場合に、民法で規定されている離婚原因をもとに裁判所離婚の請求をして、裁判所が判決という形で判断をするものです。

 全離婚のうち、約1%ほどが裁判離婚です。協議離婚は、お互いが話し合って行うものですが、裁判離婚の場合は、お互いが話し合える状況になかったり、話し合いができても財産の分与がまとまらなかったり、子供の親権をどうするかなどで話がうまくできないこともあります。

 協議離婚は、基本的にはどのような理由でも夫婦がお互いに離婚しようという意思を示して役所に届出をすれば、離婚ができます。しかし、裁判離婚の場合は、一定の理由(離婚原因)がなくてはなりません。

 民法では、

① 配偶者に不貞な行為があったとき。

② 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

③ 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

の5つを理由(離婚原因)として定めています。