コラム
離婚に伴い慰謝料請求する場合にきちんと払ってもらえるか悩んでいる方へ
目次
慰謝料の悩みをどうするか
配偶者に原因があって離婚をしたい場合、相手方に対してお金を払って離婚をすることになります。
日本の法制度は、お金を払って解決をする(金銭賠償の原則)というシステムです。
そのため、お金を払う(慰謝料など)代わりに、相手を殴って解決をする等ということは認められてはいません。
では、お金で解決をするとして、具体的にはどのようにすればお金をきちんを払ってもらえるでしょうか。
支払方法について
分割払いについて
例えば、相手が300万円を一括で支払うことは無理なので、分割払いにしてほしいと言ってきた場合はどうでしょうか。
この点については、夫婦がお互いに対してどのくらい信頼関係を有しているかがポイントだと言えます。
残念ながら離婚には至ったけれども、普段の相手方は一生懸命に仕事をしていて、分割払いになってもきちんと支払ってくれそうだと思えるのならば、分割払いでも有効でしょう。
一方、普段の相手方配偶者を見ていて、お金に対してだらしなかったり、遊びなどにお金を使って貯蓄をしていない場合もよくあります。
この場合には、なかなか相手を信用することができず、分割払いに応じることが難しいでしょう。
一括払いのために考えられる具体的な方法
一括払いをしてもらうために、どのような方法が考えられるでしょうか。
まず、金融機関(銀行など)からお金を借りてもらうということが考えられます。
次に、個人事業主の方で小規模企業共済に加入をしている場合には、積み立てた掛け金から借り入れることができます。
会社勤めの方ですと、生命保険に加入している場合、解約返戻金を担保にして、契約している生命保険会社からお金を借りることができます(契約者貸付制度)。
だいたい、解約返戻金の7割から8割の金額を借りることができます。
さらに、相手の親族に慰謝料を立て替えてもらって支払ってもらうということも考えられます。
折衷案
全額を一括払いですることが無理だったら、折衷案として一部を一括払いにして残りを分割払いにするということも考えられます。
支払の確保について
書面に残すこと(合意書の作成)
相手と合意をしたら、基本は、慰謝料の支払いについて書面に残すことです。
すなわち、合意書を作成することが出発点になります。
口約束よりも、書面で残すことは大切です。
しかし、心配な点は、相手方が合意を破った場合には、裁判を通じて強制執行をしなくてはならないということです。
そして、裁判をして強制執行をしても、必ずしも相手からお金をとれるわけではありません。
もっとも、裁判で被告となることは心理的負担です。また、強制執行の際に将来的に職場に知られる可能性があります。
裁判で、お互いが再度話し合って仲直りとしての「和解」ということになれば、相手が支払う可能性は高まるでしょう。
公正証書
裁判になりたくない場合には、合意書を公正証書の形で作成するという方法もあります。
公証役場で作成できます。公正証書に残しておくと、相手方が分割払いに応じないとき等に、裁判をえることなく強制執行に移ることができます。
メリットとしては、裁判を経ないで済むということがあげられます。
デメリットとしては、裁判を通じて相手方と話す機会が失われることです。
連帯保証人
その他には、どなたかに連帯保証人になってもらい、支払われない場合は連帯保証人に対して請求するということが考えられます。
一般的には、相手方の親族が考えられます。
担保の設定(抵当権)
また、不動産を相手が有している場合には、この不動産を担保としてするということが考えられます。
デメリットとしては、不動産に住宅ローンなどがまだあり、銀行が既に抵当権をつけているかもしれません。
そして、担保にとるにしても、登記の手続の為の諸費用がかかることです。
最後に
どの方法も決定的なものでありませんが、1番大事なことは、相手の人がきちんと働いていて今後もきちんと働いていくということが見込まれることではないでしょうか。
きちんと働いている姿をみれば、分割払いへの理解も得られるかもしれません。
なお、離婚の慰謝料の請求は当人同士でやり取りすることもできます。もっとも、不十分な金額しか得られなかったり、不利な条件で相手と合意したり、分割払いになったときにきちんとお金を払って貰えない危険があります。
そのため、できるのであれば弁護士に間に入ってもらって弁護士の立場から状況を的確に判断してもらって、1番可能性がある方法をとってもらうというのが良いのではないかなと思います。
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