まこと法律事務所 MAKOTO LAW OFFICE

コラム

2019.01.10

妻が不倫をした場合の慰謝料や親権の問題について

事案

妻から離婚を切り出されました。 しかし、調べてみると、どうやら妻は不倫をしているようです。 夫としては、婚姻の継続を望んでいますが、どうするべきか悩んでいます。 このままいくと離婚する可能性も高いです。 仮に離婚をする場合には、幼い子供(10歳未満)の親権は取得したいです。 どのように対応するべきでしょうか。

 

妻の不倫による夫の悲しみ

 

夫がとるべき行動

 

夫としては、すごくショックだと思います。
この場合、妻と同居している場合には、しっかりと誠実に話し合いを行う必要があります。
ただ、現実問題としては、話し合いがなかなか難しいかもしれません。

 

夫婦間の修復のための第三者の助け

 

間に入ってくれる親などの第三者がいる場合には、事情説明して間に入ってもらうことも考えられます。

その他、家庭裁判所で夫婦関係調整調停(円満)の申立を行って、調停委員を間に入れて夫婦関係の修復の話し合いをすることもできます。

一方、夫としては、将来に備えて、妻の不倫の証拠を確保する必要があります。

・写真
・文章やメール
・友人や知人などの証言
・レシートや領収証やPASMO(パスモ)の利用履歴

などが考えられます。

 

 →証拠の確保については、こちらより、「妻の側からみた離婚のために必要な手続(不倫やDV・モラハラを中心に)」のコラムの該当箇所から参照できます。

 

なお、夫でも妻でも、不倫をしている場合には有責配偶者となります。
そして、裁判において有責配偶者からの離婚の請求は極めて限定的な場合にしか認められません。

 

そのため、夫としては、離婚をしたくない場合には、妻に対して不倫の証拠を突きつけて、離婚することはできないと説得することが考えられます。

また、妻の不倫相手に対して、慰謝料請求をすると伝えることも考えられます。

 

妻がそれでも別居をしたいと言ってきた場合


しかし、妻がそれでも離婚をしたいといって、別居を開始するかもしれません。

 

この場合、夫としては、婚姻費用(生活費)の支払い、将来の子供の親権を考慮に入れて対応する必要があろうかと思います。

 

婚姻費用(生活費)について

まず、婚姻費用(生活費)については、夫婦のそれぞれの収入と子供の人数や年齢を考慮して決定されます。

ただ、有責配偶者からの婚姻費用の請求は、たとえ有責配偶者の方が収入が少なかったとしても裁判では否定される傾向にあります。

そのため、夫が婚姻の継続を望んでいたとしても、妻の言いなりになるのではなく、婚姻費用についてきちんと言うべきことは言ってもいいといえるでしょう。

子供の親権について

また、子供の親権についてですが、未成年者、特に10歳未満の子供がいる場合には、離婚後は妻が親権者となることが多いです。
そして、不倫と子供の親権とは基本的には別に考えるとされています。すなわち、子供の親権は子の福祉の観点から考えなくてはいけません。そこで、たとえ妻が不倫しているという事実があったとしても、妻が親権者となることがままあります。

 

そこで、夫としては、妻が別居する際に、有責配偶者である妻との将来の離婚を条件として、 子供との今後の同居や親権の取得について話し合うことが考えられます。

 

 

 

最後に
妻の不倫にもめげずに立ち向かうことです

 

妻の不倫という状況を目の前にして、夫としては冷静ではいられないでしょう。

不倫相手への慰謝料請求をどうするか、妻との修復をどうするか、離婚になった場合に子供の親権をどうするか等考えることが多いです。
ただ、焦ったり不必要に不安にならずに、自分が1番何を求めているかを考え、信頼できる人のアドバイスを受けつつ、粘り強く対応することが大事かと思います。

 

 

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