男女関係をめぐり、高額な慰謝料を請求された事例です。
交渉(話し合い)では解決できず裁判となりましたが、感情的な対立を深めないよう慎重に対応しました。
そして、最終的には、請求額を大きく下回る金額で裁判上の和解が成立しました。
依頼に至る経緯
男女関係をめぐり、高額な慰謝料を請求された事例です。
当初は裁判外での話合いによる解決を目指しましたが、当事者間の認識や希望する金額には大きな隔たりがありました。また、金銭の問題だけでなく、訴訟以外の出来事も重なり、ご依頼者の方は精神的にも落ち着かない状況に置かれていました。
話合いでは解決に至らず、相手方から損害賠償請求訴訟が提起されたため、裁判でも引き続き対応することになりました。
弁護活動
このような事件では、相手方の主張に感情的に反応すると、対立がさらに激しくなることがあります。一方で、反論すべき点を曖昧にしてしまうと、裁判所にこちらの事情が正しく伝わりません。
そこで、相手方から提出された主張や証拠を時系列に沿って整理し、どの事実を認め、どの事実を争うのかを一つずつ検討しました。
LINEの履歴、調査報告書、相手方夫婦の離婚手続に関する資料などを精査し、相手方の主張する各行為について、時期と証拠を一つずつ確認しました。貞慰謝料の裁判では、どのような証拠があり、その証拠から何を認定できるのかが重要になります。
そのうえで、主に次の点を主張しました。
- 相手方が主張する行為のすべてについて、不貞行為を裏付ける十分な証拠があるわけではないこと
- 一部の行為については、すでに相手方夫婦の婚姻関係が破綻した後の行為であり、慰謝料請求の対象にならないこと
- 不貞相手の配偶者に対して離婚慰謝料まで請求するために必要な「特段の事情」は認められないこと
- 相手方が支出したとする調査費用のすべてを、依頼者が負担すべきではないこと
- 相手方が元配偶者からすでに受けた金銭の性質についても、慰謝料額を判断する際に考慮すべきこと
反論の表現については、ご依頼者の方の気持ちをくみ取りつつも、相手方を必要以上に刺激しないよう注意しました。裁判を有利に進めるためにも、相手方への非難を重ねるのではなく、証拠に基づいて冷静に説明することが大切だからです。
裁判所から和解案が示された後も、双方の希望には隔たりがあったため、本人尋問が行われました。尋問に向けては、ご依頼者の方と打合せを重ね、これまでの経緯や当時の認識を、自分の言葉で分かりやすく説明できるよう準備しました。

裁判が続く間は不安もありましたが、感情的に返答せず、事実を一つずつ整理して伝えることが大切だと分かりました。
解決
本人尋問を経た後も話合いを続け、最終的には、当初の請求額を大きく下回り、ご依頼者の方の希望に近い金額で裁判上の和解が成立しました。
判決まで進める選択肢もありましたが、控訴による長期化や、新たな対立が生じる可能性も考慮し、ご依頼者の方が前を向いて生活を再スタートできる解決を選びました。
和解には、金銭の支払いだけでなく、相互の守秘義務、誹謗中傷の禁止、正当な理由のない連絡・接触を禁止する約束、清算条項なども盛り込まれ、紛争を全面的に終了させることができました。

慰謝料を請求されたときは、すぐに反論したくなることもあると思います。しかし、まずは連絡や証拠を保存し、事実と感情を分けて整理することが大切です。
裁判で争うことだけでなく、将来の安心まで含めて解決方法を考える必要があります。
若いので、前を向いて将来に向けて気持ちを切り替えて進んでほしいです。
関連する記事
慰謝料を請求された場合、相手方の請求額をそのまま支払わなければならないとは限りません。まず、請求の根拠や証拠を確認し、婚姻関係の状況、すでに行われた支払い、今後の接触をどうするかなどを整理する必要があります。
次の記事では、慰謝料請求を受けた直後の対応、裁判で問題となる証拠、解決後のトラブルを防ぐための約束について、それぞれ解説しています。
※守秘義務とプライバシーに配慮し、事案の内容は抽象化し、一部を変更しています。
