【相談にいたる経緯】
夫が職場の女性と不倫をしているのではないか、とのことで相談に来られました。
証拠の資料を確認すると、不倫がうかがえる状況でした。
このような中、相談者の方は夫を愛しており、夫との再構築も十分ありえる中で、交渉をすることになりました。
【弁護士としての対応】
本件は、依頼者も夫も女性も同じ職場でした。
そのため、対応を誤れば、裁判になったり、長期間婚姻関係が継続しながら紛争が続いていくこと等が想定されました。依頼者の方が体調を崩して職場を長期間欠席して退職が想定される状況でした。
そして、同じ職種で将来も関係性がありうる状況でした。
そこで、紛争を長期化させず、夫婦関係の再構築を行ってそして依頼者の方が今後も仕事を継続できることを一番の念頭において、夫の立場にも配慮しつつ交渉をしていくことに決めました。
夫と直接会って話し合いを重ねていきました。
夫の言い分を聞かなかったり心情を害すると、夫が弁護士に依頼をすることが懸念されます。その結果、夫の考えが直接分からなくなる上に相手の弁護士の対応が行き届いていないこと等で、紛争が長期化しかつ不十分な結果となることが懸念されました。
そこで、夫の話を傾聴して聞き夫の気持ちを理解するように努めました。
結果として、残念ながら夫婦の再構築はなりませんでしたが、早期にまず離婚が成立となり、その後に慰謝料や財産分与の話に移りました。
共有の不動産売却は、元夫が不動産売却に詳しいのでお任せする一方で、売却中は不動産会社に連絡をして、売却活動を促しました。
慰謝料や財産分与の合意書作成の過程では、元夫の話を傾聴してきき、合意を目指していきました。
合わせて、同じ職場であるので、依頼者は元夫の退職を求めていました。
対応を誤ると、依頼者が職場から否定的な目で見られて今後の勤務に影響が生じ、そして元夫の心情を著しく害するおそれもあります。
依頼者に対して重要なポイントを伝えると、依頼者はとても聡明で思いやりのある人だったので、元夫にも配慮しながら職場に伝えたようです。
【解決】
不動産が高値で売却され、慰謝料や財産分与の合意をして、依頼者は比較的早く職場に復帰されました。
元夫の親御さんは感謝していたようで、私と一緒に飲みたいと話されたようです。

依頼者の方にとっては頼りなくみえたかもしれません。
残念ながら離婚になってしまいました。
しかし、また好きな場所で仕事を行って将来の目標に向かって歩めるのはとても嬉しいことです。
元夫の方には、忙しい中で逃げずに長い時間を割いて真摯に対応していただいたことも早期の解決につながりました。
依頼者の方も元夫の方も、内心は相手のことを気にかけて心配していてそして賢明な方なので早期に解決することができました。
※最後に
実際の事例を元にしておりますが、事案の特定ができないように状況や当事者等を変更しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。