新宿区新大久保に事務所がある、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。
債権の消滅時効を主張したい場合、債権者への連絡は慎重に行う必要があります。
具体的場面を元に考えます。
裁判後の消滅時効について
私には借金があります。
10年前、医療系の消費者金融から、100万円借金しました。
そして、9年ぐらい前でしょうか、100万円の支払いの裁判が確定しています。
まだ信用情報を取得していませんが、遅延損害金を含めると300万円ぐらいにはなっていそうです。
裁判が確定しているのですね。
そうすると、判決が確定して訴訟が終了してから、再度時効が新たに開始ですね。10年となります。
前の裁判から、もう9年たっているのですね。
そうすると、消滅時効をあと1年ほどでできますね。
(判決で確定した権利の消滅時効)
e-GOV法令検索
民法第百六十九条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。
債権者へ接触すると?
病院を開設したいのです。
病院開設の際、債権者である医療系の消費者金融にも確認したいことがあるのですが。。
気をつけることとかあるでしょうか?
本来、債権者にはお金を返済しないといけないところではあります。
ですので、債権者に連絡をして、返済について話してみることが考えられますね。
その際、元本である100万円だけ返済とか、分割払いでの返済を打診してみることが考えられます。
ただし、債権者は、遅延損害金も含めた300万円ほどの請求をしてくることも考えられますね。
債権者である医療系の消費者金融に連絡すると、どうなりそうですか。
急に連絡してきて、どうしたんだろうと思うでしょうね。
債権者は医療系の消費者金融です。そうすると、医師や病院についても、詳しいですよね。調査したりするのではないでしょうか。
そして、病院を開設していることがわかれば、診療報酬等の仮差押えの手続をしてくる可能性があります。
診療報酬等を仮差押えをされてからでは、元本だけの返済や、分割払いの話し合いは難しくなるのではないでしょうか。
ですので、消滅時効を考えている場合は、慎重な対応が必要となりますね。