相続財産管理人はとても大変(平成30年12月8日(土)のブログです)

相続財産管理人はいろいろ大変

遺言書をもった人が複数名乗り出た場合

 

相続財産管理人といっても、やるべき任務はその時々の状況によって様々だと思います。

亡くなった方がいて、 子供はなく、兄妹姉妹などの親族との折り合いが悪い場合があります。
生前は、法人が成年後掲人としてサポートしていたけど、亡くなった後、財産をどうするかで問題となることがあります。
そして、自分の全財産を宗教団体や慈善団体に寄付するという内容の公正証書の遺言がある一方、折り合いが悪い親族が亡くなった方の自筆証書遺言を所持していたとします。



この場合、 成年後見人であった法人は、亡くなった方の財産を誰に帰属させるべきか判断がつかなくなり、裁判所に対して相続財産管理人の選任の申立てをすることがあります。

このような場合には、相続財産管理人となった弁護士は、亡くなった方の財産をただ管理するだけではなく、裁判所に対して、だれに財産を帰属させたらいいのか、調査をした上で報告をしなくてはなりません。
また、税務署に対して、なくなった方の財産について準確定申告などをしなくてはなりません。

誰に財産を帰属させるかの調査

相続財産管理人としては、遺言を所持している当事者それぞれに、自分の遺言の方が有効であるか、意見を述べてもらいます。
ただ、遺言書を所持しているものが宗教団体や慈善団体などの場合、周囲の目をはばかってかなかなか積極的に意見を述べてもらえない場合があります。また、遺言書を所持しているものが高齢者の方の場合も、なかなか意見を述べてもらえない場合があります。

そこで、相続財産管理人としては、家庭裁判所に指示をあおぎます。
ただ、東京の家庭裁判所は、忙しいのか、相続財産管理人の事件があまりなく対応をそれほどしたことがないのか、指示らしい指示がありません。。書記官さんを通して裁判官に指示を仰ぐのですが、書記官さんも裁判官も??な回答をすることがあります。。
相続財産管理人についての本を読んでも、同じような状況についての手続きの進め方や解決の方法が書いてありません。
そのため、どうしていいか戸惑ってしまいます。

 

弁護士が代理人に就くと楽になります

しばらく、なんの進展もしないまま時が過ぎることになります。
ただ、そのうち、弁護士の人が代理人につくと、相続財産管理人としては任務がやりやすくなります。

代理人の弁護士の先生と打ち合わせをしながら、進めていけるからです。

 

遺言は条文の要件が大切

 

遺言の場合には、結局は法律(民法)の条文の要件に当てはまっているかが大切なのだと思いました。

 

第968条(自筆証書遺言)

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

民法973条(成年被後見人の遺言)

 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。

2  遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

自筆証書遺言については、自筆証書遺言の条文の要件を満たさないといけません。
ただ、その遺言の日付の時に、認知症などで意思能力がなく遺言が無効かもしれないなどの問題があります。

また、すでに成年後見人がついている場合には、医師が2人以上立ちあうなどの要件が必要となります。


誠実で協力的な当事者は印象がよい..

 

そして、最後は裁判官から、両方の当事者の意見を聞いた上で相続財産管理人としての意見を提出してくださいと言われます。

 

そして、相続財産管理人として公平に手続きを進めていかなくてはなりません。

もっとも、争っている当事者のうち、一方の当事者が誠実に対応し、他方の当事者があまり協力的でないなどの場合があります。この場合には、誠実に対応してくれている当事者の方に同情的になることがあるのかなとは思います。

 

色々と行う任務があり大変


今回のように、当事者が当初から自ら積極的に動こうとせず、裁判官や書記官も消極的な場合には、相続財産管理人の負担はとても大きくなります。

現地にいって、不動産の管理などもしなくてはなりません。
税理士さんに依頼をして、準確定申告などの書類を作成してもらい、役所に提出しなくてはなりません。

にもかかわらず、報酬は予想していた金額の数分の1ぐらいしかもらえません。
相続財産管理人をしたことがある行政書士の人に聞くと、その方よりも報酬はだいぶいいのですが、とても労力がいるなと思いました。


 

 

ももこちゃん
大変なら、やらなければ良かったんじゃないですか?報酬もそんなに多くはなかったみたいですし…
大変だけど、解決したから充実感はあるよ。それに、色々と勉強になったしね。

投稿者プロフィール

弁護士水谷真実
弁護士水谷真実
東京の新宿の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士6年目の若手。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に仕事、その他気の向くままに。
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