離婚に伴い自宅を売却した場合、「税金がかかるのか」「確定申告は必要なのか」と疑問に思う方は少なくありません。
不動産売却では、売却価格だけでなく取得費や特例の有無によって税務上の扱いが変わります。ここでは、一般的な考え方を弁護士の視点から解説します。

自宅売却と税金の関係について、よくあるケースを見てみましょう。
事案
離婚後、元配偶者名義の自宅を売却した場合を想定します。売却代金から諸経費を差し引いた手取り額が約2000万円であり、不動産の取得費が約2200万円となったケースでは、税務上は利益ではなく200万円の損失が生じることになります。取得費とは、購入価格から居住期間に応じた建物の減価償却費を差し引いた金額を指します。このように譲渡所得が発生しない場合には、原則として譲渡所得税は課税されず、確定申告も不要となる場合があります。
弁護士としてのアドバイス・見通し
離婚に関連する不動産売却では、取得費や減価償却の計算によって税務上の結果が変わることがあります。離婚や財産分与の場面では、税務の問題が後から生じることもあるため、弁護士や税理士への相談が有効と考えられます。また、将来の税務署からの確認に備え、売買契約書や購入時の資料は保管しておくことが望ましいでしょう。
一方、売却によって利益が生じた場合には、いわゆる3000万円特別控除を利用できる可能性があります。この特例は、一定の要件を満たすことで売却益から最大3000万円まで控除できる制度ですが、結果として税金がかからない場合であっても、適用を受けるためには確定申告が必要となります。控除の適用には、自己の居住用不動産であったこと、親族間取引でないこと、他の特例との関係など複数の条件があります。また、住宅ローン控除との併用には制限がある場合もあります。
税務署に問い合わせて、確定申告が必要かなども確認すると良いでしょう。
