弁護士水谷真実 
離婚の成立に伴い、離婚する妻と成人している子の姓はどうなるでしょうか。
離婚する妻は、離婚届を出せば旧姓に戻ると聞いております。
では、子どもはどうなるのでしょうか。
子どもは、もう成人しております。
子どものためにしなければならない手続きはありますか？
複雑に感じる事柄ですね。
考えてみましょう。
離婚する妻の戸籍や姓について
離婚する女性は、夫の戸籍から抜けて、結婚する前の戸籍にもどります。
また、姓（名字）は、元の姓（名字）へ戻ります。
しかし、結婚時の姓（名字）を離婚後もそのまま名乗ることもできます。
離婚の日から３ヵ月以内に、役所に届出をします。
「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を役所に提出するのです。
この場合ですが、新しい戸籍を作ることになります。
具体的には、民法に次のように規定されています。
（離婚による復氏等）
引用元：e-GOV法令検索（民法）
民法第七百六十七条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
２ 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。
（協議上の離婚の規定の準用）
引用元：e-GOV法令検索（民法）
民法第七百七十一条 第七百六十六条から第七百六十九条までの規定は、裁判上の離婚について準用する。
成人している子どもの戸籍や姓について
子どもは、成人しています。
そして、離婚後は私と一緒に住みます。
この場合ですが、子どもの戸籍や姓はどうなるのでしょうか。
成人した子どもの戸籍については、父親と同じ戸籍のままです。
お子さんの姓も、父親の姓のままです。
しかし、成人した子どもが母親の戸籍へうつることはできます。
この場合ですが、母親と姓が異なる場合には、家庭裁判所に、子の氏の変更の許可の申立をすることになります。
次のページが参考になります。
母親が自分の親の戸籍に入った場合についてです。
子どもですが、子は祖父母（母親の親）の戸籍に入ることはできません。
1つの戸籍には、親と子の2代までしか在籍できないからです。
同じ戸籍に入りたい場合は、母親は新たな戸籍をつくり、その新しい戸籍に子がはいる必要があります。
