家庭内別居の場合、財産分与の基準時はいつになるか

弁護士水谷真実
弁護士水谷

新宿区新大久保に事務所がある、離婚男女問題に注力している、弁護士の水谷真実(→プロフィールはこちら)です。

財産分与についてです。
実際に別居をした日よりも前の家庭内別居のときが、財産分与の基準時となるかについて説明します。

例えば、夫婦が一緒に住んでいたけれども、夫婦関係は冷え切っていて、長年口を聞いていなかったなどの場合です。

財産分与の基準時(一般論)

財産分与ですが、まず、対象となる財産を確定しなくてはなりません。確定するために、いつの時点の財産を基準とするかが問題となります。
そして、財産分与の財産を確定する基準時ですが、別居の時点を財産分与の基準時としています。
別居した時が、夫婦が愛情をもって共同して財産を形成していくという実体が失われたと考えられるからです。

家庭内別居の場合

問題点

財産分与の基準時ですが、基本的には別居した時です。一方、家庭内別居の場合ですが、同居はしています。そのため、家庭内別居財産分与の基準時にはならないのではないか、実際に別居したときが財産分与の基準時ではないか、という問題意識があります。

考え方

夫婦が、愛情をもって共同して財産を形成していくという実体が失われたといえるかどうかです。
家庭内別居でも、この状態であれば、財産分与の基準時となる別居があったと考えることができます。

そうすると、夫婦関係は冷え切って全く口は聞いていないけれども、妻は夫の為にご飯を作って家事洗濯はし、夫は妻に対して自身の給料の一部を手渡していた、という場合は、どうでしょうか。
口は聞いてないけれども、家事洗濯はして金銭的な協力もあるので、夫婦としての実体があったと考えることもできますね。

別居をすれば、別居という明確な事実があるので判断しやすいですが、家庭内別居の場合はなかなか悩ましいですね。

そこで、争いになれば、証拠に基づいて事実を認定して、いつ財産分与の基準時となる別居といえるか判断がなされることになります。
例えば、夫婦間に送金のやりとりがないことクレジットカードが別々であることSNSのやりとりが全く無いこと一緒に写っている写真がないことなどを主張して、根拠となる証拠を提出することが必要になります。

最後に

弁護士水谷真実
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財産分与の基準時をいつの時点にするかによって、得られる財産の金額が異なります。
家庭内別居をしていた時点の方が、財産分与で得られる財産が大きい場合もあるでしょう。
そうすると、家庭内別居をしていた時点が財産分与の基準時である、と主張する場合もありますね。
実際に主張してその主張がとおるかどうかは、弁護士の人に状況を説明して証拠を見てもらって判断してもらうのが良いです。
私も相談に応じますので、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

弁護士水谷真実

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東京の新宿駅の近くの新大久保で、弁護士事務所開業。弁護士10年目の若手。離婚事件、一般民事事件、新大久保近辺に住む方々の事件、外国人の事件。ブログは主に仕事、その他気の向くままに。
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