親権と監護権

親権者とは

子どもが生まれると、親は子どもの親権者となります。

結婚すると、夫婦はそれぞれ親権者となり、共同で子供の親権を行使することになります。

親権

まず、親権とは、親の子供に対する権利であると共に、親の子供に対する義務でもあります。

親権の内容

親権の内容についてですが、大きく分けると、

1. 身上監護権
 ・子供と監督したり保護すること(監護)、教育をすること(身上監護権)
 ・子供を育て上げてあげること(扶養)(身上監護権)

2.財産管理権
 子供の財産を管理すること

3.法定代理権
 子供の代理人として契約等の法律行為を行うこと

に分けられます。

親権の具体例

親権の具体的な内容(例)としては、

監督および保護
 服装や髪型の指導、健康に留意して、病気になった際には治療を尽くすこと、結婚の同意など
教育
  将来の進路をどうするかなど
財産管理権
 子供名義の預貯金などを管理すること
居住指定権
  子供をどこに居住させるかなど
懲戒権
  いわゆる、子供のしつけ
職業許可権
  アルバイトの許可など

などがあげられます。

離婚後、父と母が共同で親権を行使できないのはなぜ?

今の日本の法律では、離婚をする場合、共同で親権を行使することはできず、父か母のどちらかが単独で親権を行使することになります。

では、なぜ、離婚後は共同で親権を行使できないのでしょうか?

その理由ですが、夫婦関係が破綻をして離婚をしたのに、はたして共同で親権を行使することができるのかという問題意識に基づいています。すなわち、破綻した夫婦が協力して子供の親権を行使することができないのではないかということです。

もっとも、逆に、子供のためにも父と母が共同で親権を行使した方がいいのではないか、婚姻関係は破綻をしても、子供のためなら協力できるという父母もいるのではないか、という指摘があり議論の余地のあるところです。

共同親権制度の導入が議論されています

共同親権導入への様々な考え

共同親権の制度の導入について、
全面的に賛成だ!
共同親権か単独親権かを離婚時に選択できれば賛成だ!
慎重に検討するべきである
反対である

など様々な意見があります。

共同親権の問題点

慎重に検討するべきと考える人達の中には、夫婦間のDVや虐待がある場合に、はたして離婚後も夫婦が共同で子育てをできるかを懸念しています。

一方、夫婦の一方がDVや虐待があったと虚偽の主張をしてくる場合に、どうするかという問題もあります。

また、共同親権を認めると、さらなる紛争に発展する可能性もありますし、養育費や子どもへの影響も考えられます。

親権と監護権の違い

あまりききなれないですが、監護権というものもあります。
では、親権と監護権はどうちがうのでしょうか?

監護権の内容

監護権とは、親権の一部である身上監護権を内容とするものです。

監護権は、普段はほとんど問題にならないかと思います。
親権を有する親は、監護権も有することが多いからです。

親権と監護権の分離(離婚後)

【夫婦が結婚をしている場合】
夫婦が結婚している場合には、夫婦が共同して親権を行使するので、監護権が問題になることはとくにありません。


【夫婦が離婚をする場合】
夫婦が離婚する場合には、父と母のいずれか一方を親権者としなければなりません(単独親権)。
今の日本では、離婚後も共同で親権者となることは認められていないのです。

そして、親権を有することになった親は、通常監護権も有します。

ただ、親権者が監護権を適切に行使できない場合があります。

例えば、父が親権を有することになったが、海外に長期出張となったとします。
この場合、日本に住む子供の受験などを考え、子供は日本に住む母親を監護権者として子育てをする場合などです。

親権と監護権の分離をすることとなります。

父母が別居後、離婚する際に子供の親権を巡って争いが生じた場合

親権争いの問題点について

親権の争いの現状

現在、夫婦が離婚をした後、約7割から8割のケースで母が親権者となっています。

しかし、離婚時に、父と母との間で子供の親権をめぐって熾烈な争いが生じることがあります。

そのため、弁護士としては、離婚における調停や審判において、子供の親権も争われる場合には、採算を度外視してでも全力で取り組まなくてはなりません。
特によく問題となる状況というのは、まだ離婚はしていないけど別居中の父と母(共同親権者である)が、10歳未満の子供の親権を巡って争う場合です。

別居後の夫婦の話し合いの大切さ

妻が幼い子どもをつれて出ていった場合に、まず話し合いをすることが大切です。

話し合うことで、お互いに妥協点を見いだすことができる可能性があります。
夫は、子どもと早期に会うことができるでしょう。
一方、妻は、夫から子どものための金銭的な援助を受けることができます。

もし話し合わないと、夫はずっと子どもに会えなかったり、婚姻費用(生活費)をずっと払い続けるおそれも生じてきます。
一方、妻は、子どものための金銭的な援助を夫から受けられなくなるおそれがあります。

子供の引渡しを求める方法

1.民事訴訟による訴訟手続
2.人身保護法による手続
3.家事審判及び審判前の仮処分
4.刑事手続(未成年者略取誘拐)

が考えられます。

民事訴訟による訴訟手続

実際はほとんど利用されていないようです。

人身保護法による手続

【メリット】
迅速に手続がなされるという点にあります。たとえば、人身保護請求をしてから1週間以内に審問がなされるなど、迅速に手続が進められるます。

【デメリット】
しかし、人身保護法による請求が認められるのは、限定的な場合に限られます

どういう場合に限られるのかというと、子供を連れ去った片方の親(親権者)の監護が子供の幸福に反することが明白な場合に限られます。

例えば、親権者の一方が子供を連れ去り、子供の引渡しを命じた審判や仮処分に従わない場合、子供の健康などが損なわれている場合などに限られます。

家事審判及び審判前の仮処分

ア)はじめに
 

人身保護法による請求が認められる場合が限定的なので、現在、主にこちらの手続が一般的に利用されています。


一般的には、子の引渡しを求める審判、子の引渡しを求める仮処分(子供の仮の引渡し)、子の監護者指定および保全処分(子の監護者を仮に定める)を合わせて裁判所に申し立てることになります。

なお、子の監護者の指定も一緒に申し立てる必要があります。何故なら、別居中といえども結婚している父母は共同で子供の親権を有していることから、相手から子供の引渡しをうけた後に自らの単独の監護におくために必要だからです。

イ)「子の引渡しを求める審判」および「子の監護者指定の審判」での裁判所の判断基準
 

審判での判断基準は、現在や将来を含めて、子の福祉の観点から、父母のどちらに子供がきちんと監護して育てられる環境が整っているかが出発点です。

具体的には、経済状況(収入や借金の有無など)居住の環境父母の健康状態監護補助者(親族など)の存在監護に対する熱意などが考慮されます。

もっとも、父母のどちらとも、子供を監護して育てられる環境に優劣がつかない場合がままあります。
そのため、監護の継続性および子の意思の尊重も加味されます。すなわち、子供を監護する環境を変えることは、特に幼い子供にとっては大きな負担となります。そこで、子供がこれまで育ってきた環境が子供の成長にとって望まれる環境であれば、そのままの父(母)の監護の下で継続していくという判断が加味されます。

一方、子供の年齢があがって自活できる力を身につけるにつれ、子供が育ってきた環境を継続する必要性は低下してきます。そこで、子供がこれまで育ってきた環境を変えてでも父(母)の元で一緒に暮らしたいか、子供の年齢があがるにつれ、子供の意思を尊重して決定するという判断が加味されます。

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