結婚と離婚の法律ガイド~理由、手続、そして変遷~

Q まず、そもそも結婚(婚姻)できる理由とは?

憲法及び法律に規定されている

国の最高の法規である憲法では、家族生活と個人の尊厳、両性の平等について規定されています。

憲法24条
1項 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2項 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

そして、この憲法24条をうけて、民法739条(婚姻の届出)において、

民法第739条
1項 婚姻は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
と規定されています。

その理由は?

このように、憲法および法律で、結婚はお互いに結婚するという意思があれば行うことができると規定されています。

その理由ですが、憲法が個人の尊重を最大限尊重していることに由来します。すなわち、時代の移り変わりと共に、個人の尊重がより重きをなしてきました。そして、結婚することは家庭を築いて子育てをしていくことにつながるものであり、結婚は個人個人ににとって人生の一大イベントで極めて重要な事柄です。そのため、結婚については個人の意思が最大限尊重されなくてはならないのです。

Q 離婚できる理由とは?

本人の意思の尊重

結婚できる理由と同じことになります。
すなわち、結婚において個人の意思が最大限尊重されなくてはならないので、離婚においてもお互いの意思が最大限尊重されなくてはならないからです。

離婚はとても辛い出来事ですが、離婚をして人生を再出発することで、新たな素敵な出会いもあります。そして、新たな伴侶をえることもできます。

離婚に際して考慮されること(主に離婚後の妻の生活をどう保護するか、子供の監護をどうするかの問題)

結婚する場合は、お互いに結婚をするという意思があって結婚をします。
しかし、夫婦となった後、子供を授かったりマイホームを購入するなどしていて、すでに生活の基盤が築き上げられています。そして、離婚はこの生活の基盤を無くす行為です。そのため、夫婦の一方が離婚を望んでも他方の夫婦は離婚を望まないこともままあります。

よって、夫婦の協議で離婚できる場合はそれでいいですが、協議ができない場合もあります。
この場合は、法律は、まず家庭裁判所に離婚の調停の申立てるよう定め、調停がうまくいかなかったら、離婚の訴訟(裁判離婚)を家庭裁判所にするよう定めています。

Q 不倫などをした有責配偶者が離婚を望んでいる場合

協議

夫婦がお互いの協議により、離婚をしようとなれば離婚が成立します。
不倫などをして婚姻関係の破綻の原因をつくった一方の配偶者からの離婚の申出の場合、慰謝料などがかなり高額となることを覚悟しなくてはなりません

調停

協議による離婚が成立しない場合、離婚のための調停の申し立てをすること自体はできます。
調停において、調停員を交えて、妻とうまく話がまとまれば、離婚できるでしょう。

ただ、夫が不倫などをしている有責配偶者ですと、調停員は妻にどうしても同情するでしょう
そして、結局は話がまとまらずに、調停が不成立の可能性も当然あります。
そこで、それでも調停をするべきか、よくよく考えて行動をするべきです。

裁判

では、裁判になった場合はどうなるのでしょうか。
裁判になった場合には、離婚事由が必要となり「その他婚姻を継続し難い重大な事由があること」という要件を満たさなくてはなりません。
しかし、有責配偶者である夫からの離婚の訴えは、認められるのでしょうか。
昔の判例から、現在はどのように移り変わってきたのか、順にみていきます。

踏んだり蹴たり判決(最判昭和27年2月19日)

【事案】 事案
婚姻生活10年。夫が不倫を繰り返し、他の女性との間で子供もできた。
そのため、妻が非常に怒り、包丁を振り回して夫の靴をトイレの便器の中に入れ、夫に水をかけるなどして暴力をふるった。
すると、夫は家を飛び出して不倫相手と同棲し、妻に対して、もはや婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚の訴えを提起した。

【裁判所の判断】

夫の離婚の訴えを認めませんでした
裁判所は、そもそも婚姻を継続しがたい重大な事由はないとしました。その理由は、夫が不倫相手との関係を解消しさえすれば、夫婦関係は円満に継続していたからです。
また、裁判所は、道徳的にも許されないことであるし、もし夫の離婚の請求が認められたら妻はそれこそ踏んだり蹴ったりになるとしています。

その後の判例の流れ

その後は、基本的には有責配偶者からの離婚請求は認められないとしながらも、だんだんと離婚請求が認められるようになってきました。

例えば、夫婦相互に有責性があるのなら、有責性の小さい者からの離婚の請求を認めたり、婚姻関係が破綻したあとに不倫などをした場合には離婚請求を認めました。

昭和62年の判決(最判昭和62年9月2日)

裁判所は、これまで有責配偶者(不倫などをして婚姻関係の破綻の原因をつくった一方の配偶者)からの離婚の請求を認めてきませんでしたが、認められる場合もありえるとしました。

具体的には、

①夫婦の別居期間が夫婦の年齢や同居の期間と比較をして相当長期間であること
②夫婦の間に未成熟の子供がいないこと
③夫婦の一方が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚の請求を認めることが著しく社会正義に反するような特段の事情がないこと

の要件をみたした場合には、認められる場合もあるとしました。

なお、①についてですが、裁判(審判)までなされた場合には、約10年ほど別居をしていないと、離婚は認められないようです。

有責配偶者が別居後に離婚を成立させるために心がけること

弁護士水谷真実
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