遺産分割の調停について

遺産分割の調停とは?

次のような状況のときに、遺産分割の調停を申し立てることが考えられます。

例えば、被相続人が亡くなり、
・相続人間で遺産分割の話し合いがつかない場合
・遺言書や遺産分割協議書の内容に納得がいかない場合

などの場合です。

裁判所の次のページに、遺産分割の調停の手続の説明や書式が掲載されております。

遺産分割の調停での確認の流れ

相続人の範囲の問題

相続人は誰かが問題となります。

争いある場合
地方裁判所に訴えることになります。
認知無効や婚姻無効などの裁判をすることになります。

相続人の範囲の確認方法
戸籍などで確認をします。

遺言書や遺産分割協議書の有無

遺言書等が有効であることを前提に、調停で話し合って、新しく合意をして遺産の分割をすることができます。
遺留分をどうするかの話し合いをすることも一緒にできます。

争いある場合
地方裁判所に訴えることになります。
遺言無効確認の訴え、遺留分減殺などです。

遺産の範囲

どのような財産が遺産となるかが問題となります。

争いある場合
地方裁判所に訴えることになります。
不当利得返還請求、損害賠償請求、遺産の確認訴訟などです。

確認方法
不動産登記事項証明書や、銀行の通帳などで確認をします。

借金や賃料について
本来遺産の対象とならない財産です。
そこで、遺産に含める場合は、相続人全員の同意が必要となります。

遺産の評価

遺産の範囲で相続人間に合意がある場合は、次は遺産の評価が問題となります。

証拠
固定資産税評価証明書、査定書、相続税路線価などです。

遺産の評価について合意がない場合、鑑定が実施されます。
鑑定費用は、当事者が予め支払います(予納)。

遺産の総額や具体的相続分の確定
特別受益や寄与分の主張や評価

特別受益や寄与分について、具体的に書面で主張や立証してきます。
いつ、だれが、何を、どのくらいかを具体的に主張立証していきます。

遺産の分割方法を決める

だれがどの遺産を取得するか決めます。

話し合いがまとまれば、調停が成立します。
話し合いがまとまらなければ、調停は不成立となります。
そして、次の手続である審判にうつります。
審判では、裁判官が遺産の分け方について

相続人の一部が調停に出席していない場合
調停が成立するためには、相続人全員の合意があってはじめて成立します。全員の合意がない場合は、審判へと移行します。
一方、相続人の中には、調停に出席していない人が生じることもあります。この場合には、全員の合意がないとしていきなり審判になるわけではありません。出席していない相続人の意向も確認して、なにか異議などがあれば主張するよう求めることになります。

調停で複数が当事者となっている場合は?

遺産分割の調停などは、当事者が複数おります。

例えば、
申立人:遺言書や遺産分割の内容に不服がある人(Aさん)
相手方:遺言書や遺産分割で利益を得た人(Bさん、Cさん、Dさん)

この場合、Aさんは、BさんとCさんとDさんを相手に、遺産分割の調停を申立てをすることになります。

どのように調停に参加をする?

調停には、裁判所に赴いて直接調停委員と話をすることもしないこともできます。

出席しない代わりに、書面で自分の考えを伝えを証拠を裁判所に提出することもできます。
電話で調停に参加をすることもできます。

もちろん、調停に直接出席する人も、さらに書面を裁判所に提出できます。

書面は当事者全員に送った方が良い

書面は、裁判所に提出する他に、当事者にも送ります。

調停に出席していない当事者にも、全員に送った方が良いです。
調停に出席していないからといって、置いてきぼりにするのは良くないです。また、書面を送ることにより、反論の機会をあたえ、より調停が充実したものとすることができるからです。

一部の相続人が調停に参加しない場合

遺産分割は、相続人全員の合意が必要です。
一部の相続人が調停に参加をせず話し合いがまとまらないのであれば、調停が不成立となり、自動的に審判に移行します。
審判では、最終的に裁判官が判断をします。

遺言書や遺産分割協議書の内容で争う場合

調停で、話し合いを行うことができます。

しかし、調停で遺言書が無効かを積極的に争う場合には、家庭裁判所ではなく地方裁判所に訴えて下さいと調停委員から伝えられることがあります。

遺言書の無効を積極的に争いたい場合は、調停を不成立にして、地方裁判所に訴えることになります。

地方裁判所では、自筆証書遺言が無効であるとして、不当に得た財産の不当利得返還請求などが争われます。

遺言書の有効性等を地方裁判所で争うと、かなり時間がかかることが考えられます。
そこで、遺言書の有効性を争わずに、調停である程度お互いが妥協して和解することも1つの方法として考えられます。

話し合いの余地がある場合

話し合いの余地があるのならば、話し合いしたいところです。

凍結された口座がある場合

相続人が複数いる場合

亡くなったことにより、亡くなった方の銀行や証券会社の口座が凍結されます。
銀行や証券会社からは、口座の凍結の解除には、相続人全員の同意が必要だと言われるでしょう。

口座内の現金を特定の相続人に相続させるという遺言書がある場合

遺言書の内容次第では、払い戻しができる場合があるようです。

しかし相続人が複数いる場合には、 遺産分割協議書や相続人全ての署名押印がある相続手続の依頼書がなくては、相続人の1人が勝手には払い戻しができないでしょう。
遺言書の有効性の問題、遺留分の問題等で、相続人等の間で話し合いがつかず、争いが生じている場合があるからです。

遺産分割の調停では、口座の凍結の解除が1つのポイントになる場合があります。
相続人が全員で協力して口座の凍結解除に協力する、その代わり、解決金として相続人間でいくらか支払って調停を成立させる、等が考えられます。

弁護士の活用のしどころ

銀行や証券会社に連絡をして、口座の状況について確認したり、凍結の解除について話し合うことができます。
口座の凍結を解除したくない場合は、弁護士を通じて銀行に内容証明郵便を送付して、払い戻ししないよう通知することができます。

遺産分割調停と遺留分の請求の関係

関係性

遺産分割調停と遺留分の請求の関係についてです。

遺産分割の調停の中で、遺留分の話をすることができます。

また、遺産分割調停とは別個に、遺留分減殺請求の調停の申立てをすることもできます。
そして、遺産分割調停の当事者と遺留分の請求の調停の当事者が同じ場合は、遺産分割調停で遺留分の話し合いができます。
なお、併合はされません。遺産分割の調停は審判になる場合もあります。そのため、審判になる可能性がある遺産分割調停は遺留分減殺請求の調停とは併合されません。

一方、遺留分減殺請求の調停を申し立てず、遺産分割調停において、遺留分の話し合いを一緒にすることもできます。

相続人が複数いて、一部の相続人しか調停に出席していない場合には、出席している相続人達だけで話し合いによる解決をすることがあります。相続人全員で遺産分割の話し合いは無理なので、出席している相続人達だけで、例えば遺留分の話し合いをすることがあります。

調停をせずにいきなり遺留分減殺請求の裁判をすることができるか

家事事件手続法には、遺留分減殺請求をするには裁判の前にまず調停の申し立てをしなくてはならないと規定されています。

(調停前置主義)
家事事件手続法第257条 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
2 前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。
3 裁判所は、前項の規定により事件を調停に付する場合においては、事件を管轄権を有する家庭裁判所に処理させなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に処理させることができる。

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(調停事項等)
家事事件手続法第244条 家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。

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しかし、調停をせず、いきなり地方裁判所に遺留分減殺請求の訴えをすることもできます。
そして、裁判で遺留分減殺請求の審理が行われます。
その際、地方裁判所の裁判官が、調停で話し合うよう指示すれば、調停となることもあります。

相続財産の一部だけをまず分割する場合(一部分割)

困っている相談者
相談者

親が自筆で作成した遺言書があるのですが、遺産分割の調停を行っております。
相続人の人達の中で、出席しない人がおります。
出席している他の相続人の人達とは、だいたいの合意はできているのですが…
困ったものです。
どうしたらよいでしょうか?

弁護士水谷真実の写真

遺産の一部分割が考えられます。
遺産の一部だけをまず分割するのです。
遺産分割は、相続人全員の同意が必要です。
出席しない当事者に連絡して、同意を得る必要はありますが。

年配の相談者
相談者

そういう方法もあるのですね。

(遺産の分割の協議又は審判等)
民法第907条
共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
前項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。

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