被相続人が亡くなった場合についてです。
後見人が行うことなどについて、説明をします。
相続財産を相続人に引継ぎをする
後見人が亡くなった被後見人の財産を管理しています。
そこで、相続人に対して、被後見人の遺産を引き継ぐ手続をします。
相続人が亡くなった被後見人の相続財産を管理できる状態にします。
引継ぎまでの期間
被後見人が亡くなってから、6か月以内に行います。
但し、6ヶ月をすぎても引き継げない状況であれば、その前に家庭裁判所に報告をします。
そうすれば、状況によっては、裁判所はもっと待ってくれたりします。
相続人が管理するまで後見人が行うこと
後見人は、次の行為を行うことになります。
相続人に引き継いで財産を管理するまで
①相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
②相続財産に関する弁済期が到来した債務の弁済
③被相続人の火葬や埋葬に関する契約の締結やその他相続財産の保存に必要な行為
を行います。
なお、③については、家庭裁判所の許可が必要となります。
死後事務許可申し立てです。
死後事務許可申し立てとしては、例えば次のことが考えられます。
1.本人の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結(葬儀に関する契約は除く。)
裁判所
2.債務弁済のための本人名義の預貯金の払戻し(振込により払い戻す場合を含む。)
3.本人が入所施設等に残置していた動産等に関する寄託契約の締結
4.電気・ガス・水道の供給契約の解約 など
民法には、次のように規定されております。
(成年被後見人の死亡後の成年後見人の権限)
e-GOV法令検索民法
第八百七十三条の二 成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、次に掲げる行為をすることができる。ただし、第三号に掲げる行為をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
一 相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
二 相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る。)の弁済
三 その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(前二号に掲げる行為を除く。)
葬儀費用について
葬儀費用についてです。
互助会で積み立てたお金が40万円ほどあります。この積立金で葬儀費用は支出しましたが、あと10万円ほど足りません。
請求書がきております。
相続人ですが、うちの主人だけなんです。
主人ですが、今重い病気で、特別養護老人ホームに入所しており、意思疎通がままなりません。
この場合、どうなるでしょうか。
もう葬儀をすまされた状況ですので、死後事務許可申し立てをする必要はないですね。
相続人がご主人だけならば、亡くなった被後見人の方の遺産のうち10万円をご主人の口座に送金はできます。
奥さんに対してこの10万円を直接渡すことはできませんが、ご主人の口座には送金できます。
唯一の相続人が意思疎通が難しい場合
主人は、特別養護老人ホームにおり、意思疎通が難しいです。
この場合、相続財産の引継ぎはどうなるのでしょうか。
私が主人の後見人になることもできるのですが…
相続財産管理人の申立てが可能です。
しかし、奥さんが後見人になってもよいと考えているのでしたら、成年後見申立てをすることがスムーズでしょう。
奥さんが後見人になった上で、相続財産を引き継いでもらいます。