Q 離婚による慰謝料請求とは何でしょうか?
離婚に際して、相手方(配偶者)に慰謝料請求ができる場合があります。慰謝料請求ができる場合というのは、相手方(配偶者)に何らかの原因がある場合です。
例えば、相手方から暴力を振るわれたり、相手方(配偶者)が不倫をしていたりした場合に、不法行為を理由として慰謝料請求ができます。
Q 慰謝料請求が認められる原因は何でしょうか?
相手方(配偶者)と協議して、相手方(配偶者)が任意に支払うとなれば、支払われる慰謝料には制限はありません。
一方、相手方が慰謝料請求を拒んでいる場合や、協議をしても慰謝料の金額が定まらないこともよくあります。この場合は、調停、審判および訴訟において、裁判官が様々な事情を考慮して慰謝料の額を決めることになります。
具体的には、まず、相手方に原因(不法行為)があるか(不倫をしている場合や、暴力行為などがあったか)が検討されます。その上で、相手方に原因(不法行為)があるとなった場合には、裁判官は次の要素を考慮して慰謝料の金額を決定します。
①財産分与の有無(財産分与の金額が多いほど低くなる)
②未成年者の子供の有無(いる場合の方が高くなる)
③婚姻期間の長さ(長い方が高くなる)
④相手方の社会的な地位や資産
Q 慰謝料請求で認められる金額はいくらでしょうか?
裁判になった場合には、裁判官が様々な事情を考慮して慰謝料の金額を決定します。
慰謝料の支払いが認められた人の金額を割合で表すと、100万円以下が約25%、100万円から200万円が約25%、200万円から300万円が約25%で、それ以上が25%となります。
Q 慰謝料請求だけが絶対ではありません
相手方との離婚において実際に裁判になった場合には、慰謝料だけの話にとどまらないことが多いです。例えば、財産分与をどうするか、所有している不動産をどちらの所有にするかなど、他の事情が絡んできます。
そこで、自分が何を1番重視するかを元に、戦略的に考えることが必要といえるでしょう。
Q 相手方(配偶者)以外にも慰謝料請求ができる場合があります
1 第三者(不倫相手)に対する慰謝料請求
例えば、配偶者との不貞行為(不倫)により精神的苦痛をうけたことを理由として配偶者の不倫相手に対して行う慰謝料請求ができます。
裁判所は、夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、婚姻関係が破綻していた場合は別として、配偶者を誘惑したかどうか、配偶者との間で自然の愛情が生じて肉体関係に至ったかを問わず、不倫による慰謝料請求を認めています。すなわち、不貞行為を理由に第三者に対して慰謝料請求できる場合を広く認めています。
2 第三者(不倫相手)に配偶者がいる場合
ただし、第三者(不倫相手)にも配偶者がいる場合があります。そのため、逆に第三者(不倫相手)の配偶者から、慰謝料請求をされる場合を考慮しなくてはなりません。
消滅時効を意識すること
この場合、消滅時効を考えることが1つのポイントになります。すなわち、不貞行為による慰謝料請求の消滅時効は、不倫行為および不倫の相手方を知った時から3年です。仮に、不倫行為および不倫の相手方について、第三者(不倫相手)の配偶者よりも遅く知ったならば、第三者(不倫相手)の配偶者の消滅時効期間が経過した後に慰謝料請求をすると良いでしょう。