個人再生手続の流れ

個人再生手続の流れについてです。

まず、個人再生手続は、

  • 小規模個人再生手続
  • 給与所得者等再生手続

があります。

小規模個人再生手続は、主として、個人事業主や小規模の事業を行っている人を対象とした手続です。
勤務しながら副業を行っている人も、対象となります。

給与所得者等再生手続は、主として、勤務している人(サラリーマン)を対象とした手続です。

流れ

個人再生手続を行うことが可能か確認

個人再生手続を行うことができるか、行う方が他の手続よりもメリットがあるか、弁護士に相談します。

債権者へ受任の連絡

弁護士が債権者へ受任の通知を送ります。
以後は、債権者へ弁済する必要はないです。

特定の債権者へ弁済をする行為は偏頗弁済とされます。
その後の再生手続に悪影響を与えかねないので、行ってはいけません。

準備をする

申立ての準備をします。
必要書類などについては、日弁連のページに記載あります。

申立人本人が準備する書類としては、
・住民票
・給与明細(申立て前2か月分)
・源泉徴収票
・銀行通帳(過去2年分)
・退職金の有無が分かる書類
・生命保険に加入している場合は、解約返戻金が分かる書類
などです。

毎月の家計簿について
申立て前の2か月文の家計簿(「家計全体の状況」という定型の書面)を申立ての際に提出します。
個人再生申立て後、個人再生委員は、家計簿をチェックします。将来、3万円ずつ分割払いをすることが見込まれるのであれば、毎月の収支が3万円なら余裕で継続して弁済できるかを家計簿をみてチェックします。

ですので、家計簿は、できるだけしっかり作成しましょう。
支出については、概数ではなく正確な金額(実数)を記載する必要があります。例えば、通信費や光熱費等です。
ただし、日々の食料費や消耗品費については、正確な金額を把握することは難しいので、おおよそで大丈夫です。

家計簿は、個人再生手続開始決定後も、認可になるまで毎月提出を求められる場合があります。

債権者について
債権者は、すべて弁護士に伝えましょう。
個人再生の申立ての際、債権者一覧表を提出します。
個人再生の申立ての開始決定後は、債権者一覧表の修正ができなくなるからです。

引っ越しについて
引っ越しをしてもなにも問題はありません。
居住移転の自由が憲法で保障されております。
個人再生の申立ての際、住民票を提出します。そこで、引っ越したならば、役所で住所変更の手続をしましょう。

裁判所への申立て

裁判所へ申立てをします。

申立て後、数日して、個人再生委員が選任されます。
そして、個人再生委員から、指示があります。

分割予納金の送金について、送金先や送金期限の指示があります。

また、追加の書類の提出の指示がある場合があります。
追加の書類としては、例えば、
・預金口座の各通帳や取引明細
・債権者の再建の金額が確認できる資料
・住まいの賃貸借契約書
・経歴、家族関係、住居の状況、個人再生手続を申し立てるに至った経緯を説明する書面(「個人再生の手引」という書籍の書式11の「報告書(民事再生法124条2項、125条1項)の提出で足ります」)
等です。

面談については、だいたい1週間後くらいに面談をしましょうと伝えられます。

個人再生委員との面接

選任された個人再生委員の事務所で、面談を行います。

個人再生委員は、個人再生の手続を開始してよいか、後日裁判所に意見書を提出します。そのために、個人再生委員は、色々と質問をしてきます。
個人再生委員が特に重視しているのは、将来の分割払いの履行可能性です。計画通りに、余裕を持って継続的に支払っていけるかの見込みを確認しています。

個人再生委員との面談の回数
よほどのことがなければ、1回だけです。

個人再生委員との面談での心構え
個人再生委員は、ざっくばらんに質問をしてきます。咎めたりするために質問をしてきているわけではありません。そこで、誠実に一生懸命回答するよう心がけると良いです。

通帳の過去の履歴を確認される
個人再生委員から、通帳の履歴で、詳しく聞かれることがあります。
例えば、〇×▲会社への支払があるので、これはどういう理由で支出したのですか?と聞かれることがあります。これに対して、FXを行っていましたと答えたとします。すると、FXの口座情報を提出して下さい、過去2年分の取引履歴が分かる資料を提出して下さいと指示されることがあります。

過去に自己破産を複数回行っている場合

過去に自己破産で免責許可を複数回えている場合についてです。再生委員が調査のために過去数年分の通帳の提出を求めてくることがあります。
数年分の提出を求められることがあることは、念頭においておきましょう。

個人再生委員との面談後申立てまでの準備について

面談後、個人再生委員から、追加の書類提出を求められることがあります。
また、よりくわしく事情を説明するために、報告書の提出などを求められたりします。

そこで、その都度、追加で書類を提出したり、報告書を提出したりします。

なお、東京地方裁判所の場合ですが、標準スケジュール上では、申立てを裁判所にしてから3週間で個人再生委員が裁判所に対して、手続開始要件に係る意見書を提出する運用となっています。

しかし、3週間すぎても大丈夫です。
個人再生委員は、追加提出を依頼した書面の提出をまってくれます。

まこと法律事務所

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