借地権の更新についてです。
建物を所有している場合、他人の土地に借地権を設定することがあります。
建物所有者は、土地所有者との間で、土地の賃貸借契約を締結します。
借地権の期間
借地権の期間は、民法では次のように規定されております。
(借地権の存続期間)
借地借家法第三条 借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。(借地権の更新後の期間)
引用元:e-GOV法令検索 借地借家法
借地借家法第四条 当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
しかし、土地の賃貸借契約書に借地権の期間を通常は定めます。
そうすると、契約書の内容の方が優先されます。
更新料について
借地権の更新の際は、更新料を支払うことがままあります。
更新料については、賃貸人と賃借人との話し合いで決まります。
法律で、いくら支払うという規定はありません。
そのため、近所で何人も同じ地主から借地権を設定している場合でも、更新料がまちまちということもあります。
弁護士の活用法
更新料で話し合いがつかないならば、弁護士に相談してみて下さい。
適正な更新料がいくらか判断できます。
また、更新料について代わりに交渉をすることもできます。
借地権の更新拒絶について
借地権の期間が満了に近づくにつれて、期間満了後の借地権について問題となることがあります。
借地権を更新するのか、更新拒絶となるのかが問題となることがあります。
借地権ですが、更新拒絶とはいっても、正当な理由がなければ更新拒絶できません。
正当理由、すなわち、相応の金銭を土地所有者(地主)が支払う必要があります。
次のように規定されております。
(借地契約の更新請求等)
借地借家法第五条 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
2 借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
3 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。(借地契約の更新拒絶の要件)
引用元:e-GOV法令検索 借地借家法
借地借家法第六条 前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
正当な理由がなければ、期間満了後、これまでの契約と同一の条件で契約が更新されます。
なお、土地の賃借人(建物所有者)としては、念のために、地主に対して、内容証明郵便を送った方が安心かもしれません。
借地借家法5条で「 借地権者が契約の更新を請求したときは 」と規定しているので、契約の更新の請求をするのです。
更新料について
更新拒絶の場合は、更新料の話はされずにそのまま進んでしまう場合があります。
更新料の支払いが土地賃貸借契約書に記載あれば、建物所有者は地主に対して支払う必要があります。
更新料の支払いについて、土地賃貸借契約書に記載がないこともあります。
この場合でも、賃借人としては、今後の円滑な関係のために、地主に対して更新料を支払った方が良いでしょう。