刑事事件で、上告審の手続についてです。
高等裁判所の判決に不服がある場合、上告することができます。
上告審の手続の流れ
高等裁判所の判決の判決正本を受け取った日又は受け取ったのみなされる日の翌日から起算して2週間以内に、東京高等裁判所へ上告の書面を提出します。
上告の提起をしてから、だいたい1か月ほどすると、上告趣意書を提出するよう通知書(上告趣意書差出最終日通知書)が届きます。
この通知書に、いついつまでに上告趣意書を裁判所に提出して下さいと指示があります。
だいたい、通知書記載の日の1か月半後ぐらいが最終の提出日として記載されております。
上告趣意書を作成します。
上告趣意書には、刑事訴訟法404条の上告理由があることを記載します。
第四百五条
e-Gov法令検索(刑事訴訟法)
高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
一 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
二 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
三 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
被告人自身が作成した上告趣意書も提出できる
弁護人が作成する上告趣意書の他に、被告人自身が作成した上告趣意書も一緒に提出することができます。
弁護人作成の上告趣意書に添付という形で、被告人自身の上告趣意書の提出をします。
弁護人は、上告趣意書において、被告人作成の上告趣意書内の主張などを適宜引用したりしたりしながら、主張をしていくことになります。
上告趣意書を提出してから、だいたい1か月くらいで、裁判所の判断が下ります。
記録の閲覧・謄写について
最高裁判所に赴いて、記録の閲覧や謄写ができます。
最高裁判所の所在地は、こちらです。
→最高裁判所の所在地
記録の閲覧謄写の係の電話番号は、こちらです。
→03-3264-8573
上告審の手続において示談などを試みることも考えられる
上告審では、上告趣意書を提出します。
その際、被告人自身が作成した上告趣意書も一緒に提出できます。
もしなにか相手に伝えたいことがあれば、自分で作成した上告趣意書を弁護人の上告趣意書に添付して提出することも考えられます。
示談を試みることも考えられます。
なお、被害者の方の心情や立場に重々配慮して行うべきです。