依頼の際にお伝えしたこと
自己破産をご依頼される場合、以下のことをお願いいたします。
スムーズに自己破産の申立てを行うことができます。
- 債権者をできるだけ全て把握して下さい。もし不安ならば、CICなどの信用情報機関でご自身の信用情報を取り寄せてみてください。
なお、取得する場合、書類の準備が大変という方もいらっしゃいます。無理をして取得をして下さいという意味ではございません。
- ご依頼後は、手持ちのクレジットカードは弁護士に渡して下さい。
- 全ての債権者に平等に対応しなくてはならないことから、一部の債権者に弁済をするようなこと(「偏頗弁済」といいます)は止めて下さい。
- 奨学金の支払いも止めて下さい。偏頗弁済になります。
- 住民税や健康保険料などの支払が滞っている場合、滞っていることを知らせて下さい。
- 過去2年分の銀行の通帳の写しが必要です。通帳をなくしインターネットのみで閲覧の場合、銀行の店頭で無料でプリントアウトできるようです。
- 銀行の通帳は、通帳の表面の他、次のページも一緒にコピーしてお渡し下さい。
- 銀行の通帳内で、記帳が抜けている期間があるかもしれません。その部分は、銀行の窓口に行って取り寄せて下さい。
- 現在の住所のみならず、以前の住所も教えて下さい。債権者から聞かれることがあります。
- ETC・インターネット・携帯電話・保険料等の利用料金をカードで支払っている場合、支払い方法を変更して下さい。
- 書類のコピーを渡していただく場合、A4サイズで統一してお願いします。
自己破産の手続の流れ
代理人が、受任後すぐに受任通知書を債権者に送付します。
債権者が個人の場合
だいたいは、消費者金融など法人が債権者の場合が多いです。
一方、時々、個人間で貸し借りがある場合があります。この場合、債権者の住所が分からないことがあります。そこで、事前に、債権者の住所を把握しておく必要があります。
一緒に協力して準備していきましょう。
最初から一気に完璧を目指す書類を作成するものではありません。
少しずつ準備をして、書類を作成したり、資料を取り寄せたりしましょう。
準備することが難しい書類等について
例えば、
・保険の証書が手元にない
・退職金の有無がわかる書類がない
・日払いのため過去2か月間の支払いの証拠となる書類を集めにくい
などの場合についてです。
この場合は、無理をして取り寄せたり準備をしなくても大丈夫です。
弁護士が作成する、「上申書」の中に、準備が難しいことなどを記載できます。
東京23区や近郊にお住まいの場合は、東京地方裁判所(本庁)に自己破産の申し立てを行います。
自己破産の申立後、東京地方裁判所(本庁)の場合、ほぼほぼ管財人つきます。
管財人は、弁護士がなります。
管財人の役割は、端的にいいますと、裁判所をサポートする役割です。
自己破産を申し立てた人の資産調査や、免責の有無を確認します。
管財人がついたら、管財人に事情を説明すれば大丈夫です。
保有できる現金や預金について
預金
まず、預金についてです。
自己破産の申立時に、預金口座の預金が20万円以内ならば、そのまま保有できます。
一方、預金口座の預金が20万円を超えていたら、債権者に預金の全てが分配されます。
複数の預金口座がある場合は、全部の預金口座の預金を合計して20万円を越えているかどうかで判断されます。
合計して預金が20万円を越えていたら、全てが債権者に分配されます。注意しましょう。
現金
一方、現金ですが、99万円まで大丈夫です。
自己破産の申立時点で、99万円までなら保有できます。
ですので、預金ではなく現金で持っていた方がよい、ということになりますね。
自己破産の申立てですが、完璧に書類を揃えたり準備をしなくても大丈夫です。
住民票について
住民票は、申立ての「6か月以内」に発行された書面が必要です。
管財事件となった場合についてです。
東京地方裁判所(本庁)の場合、申し立て後、だいたい1週間後ぐらいに、管財人候補者と面接をします。
裁判所ではなく、管財人候補者の事務所で面接となります。
面接の時間は、管財人が確認したいことなどにより、時間が変わります。だいたい、45分~2時間ぐらいです。
面接の際に、管財人から指示があったりします。
逆に、管財人に、当方の事情を伝えることもできます。
管財人候補者と面談後、裁判所から自己破産開始決定が下されます。
必要書類(住民票等)を提出していない場合
裁判所は、自己破産の開始決定ができません。そのため、開始決定が遅れることになります。
取下げについて
自己破産開始決定がでるまでは、申立てを取り下げることができます。
破産者と代理人が裁判所に出頭します(しないこともあります)。
そして、裁判官と面接をします。
裁判官に聞かれる内容としては、
- 氏名・生年月日
- ・事前に提出した書面(陳述書や資産目録や家計状況などの書面)に間違いはないか
- 事前に提出した書面について、裁判官が懸念していた点
- 自己破産に至った理由
- 裁判所が心配をしていること(例:税金滞納がある場合には、今後、税金をきちんと支払っていけるかなど)
- 今後の生活をどうやっていくのか
などです。
その上で、裁判官は、アドバイスなどもしてくれます。
お金に余裕があるときは貯金するようにや、体調に不安があるならば無理をしないように等です。